摘み取りたくない花なのに ページ7
Aがカナヲの元へ走り寄ると、驚いたのか相手は一歩足を引いてしまった。その様子を見て申し訳無さそうに眉をハの字にする。
「あぁ、急にごめんね。カナヲちゃんも柱稽古に参加してるのよね？寝泊まりはやっぱり蝶屋敷なの？」
「...いえ、えっと。お風呂だけ..」
「そっか、じゃあ私と同じだね！これから行くなら一緒にどうかな？」
ふわりとした笑みを向けると、彼女の強張っていた肩が若干緩んだ気がした。
カナヲはこくんと首を縦に振る。その様子を見て、Aはぱぁっと笑顔を綻ばせた。彼女からの意思表示が確認出来たのがとてつもなく嬉しかったのだ。
ー(カナヲは少し自分の心の声を聞くのが苦手な子みたいなんだ。異性の俺が話し掛けるより、同性のA姉さんの方が心を開けるかもしれない)ー
前に炭治郎がそう言っていたのを思い出した。
彼女とは同期で何度か顔も合わせているけれど、会話をしたのは片指数えるくらい。
彼女自身の事は正直あまり知らなかった。だからこそ気にかけたくなってしまう。
以前炭治郎が昏睡状態のまま目覚めなかった時も、カナヲは頻繁に見舞いに訪れてくれて、部屋に花を生けてくれていた。
根はとても優しくて良い子な筈なのだ。
ー【仲良くなれたらいいなぁ..】ー
「カナヲちゃんは今誰のところで稽古してるの？」
「えっと..今は蛇柱様のとこ」
「本当に？早いねぇ。やっぱり凄いわカナヲちゃん」
「いえ..そんな」
まだ言葉は拙いないが、ちゃんと返事を返してくれるので、あまり心配する必要もないんじゃないか？と思う。確か炭治郎が前に言っていたのは、自分で物事を決められないから銅貨を投げていたと...
「今は、銅貨使わなくても大丈夫になったんだね。良かった」
「え？..それ何で」
「炭治郎が言ってたんだ。あなたの心がいつか花開くようになるといいって、少しずつでいいよ。カナヲちゃんのペースで頑張ろう」
「そうですか...炭治郎が」
ー...ー
Aは目を見開いた。カナヲが炭治郎の名前を発した瞬間、少し纏う空気が変わった気がしたのだ。
ただの女の感、と言えばそれまでかもしれない。カナヲから感じたそれは甘酸っぱくて切ない...そんな感情の揺らぎ。
(そんな、もしかして)
いや、もしそうなら私は...
炭治郎は気付いて
「Aさん？..」
「え？あぁ、ごめん！」
不意に立ち止まったAを不思議そうに見つめるカナヲの後を慌てて追う。
【彼女の気持ち、聞いてみようか..】
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八千代(プロフ) - ゆるどあさん» 合間見て更新していきたいと思うので、今後とも宜しくお願いします(*´-`) (2022年1月19日 19時) (
レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆるどあさん» ゆるちゃん最新話まで読んでくれてありがとう！(*´◒`*)まさにゆるちゃんの言う通りもう少し炭治郎は硬派だろうなぁと思ってるんだけど、可哀想になっちゃって結局今に至ります笑 表現とか褒めてくれてありがとうね！なかなか私生活が忙しくなってきたけど、 (2022年1月19日 19時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - と頷きながら、積極的すぎないか炭治郎！？とかドキドキしながら読ませて貰いました💕相変わらず言葉遣いとかか心の表現の仕方が物凄く綺麗で、素敵で、浄化されるような不思議な感覚になるね笑プライベートとの両立は大変だと思うけど、更新頑張ってね！また来ます！ (2022年1月19日 15時) (レス) id: db34c5bdbe (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - 八千代ちゃんお久しぶりです！やっっと最新話まで読み終わったよ！！私の予想では（炭治郎の性格的に）無惨様倒すまでは引っ付かないんだろうなぁと思ってたから、ちょっと驚きながらもそうだよな、小さい時から我慢してたんだもんなぁ、寧ろ今までよく頑張ったよ→ (2022年1月19日 15時) (レス) id: db34c5bdbe (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます！(*´-`)いけない関係ってどきどきしますよね。更新頑張りますので、どうぞ今後とも宜しくお願いします！ (2021年6月28日 10時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八千代 | 作成日時：2021年6月10日 20時
