星詠みの巫女は太陽と共に【炭治郎夢】ーpart9ー

意思を継ぐ者達 ページ26

「「ええーっ？！」」


2人が口をパクパクさせながら驚愕の声をあげると、蜜璃はふふと笑い目を細めた。


「煉獄さん..師範はね、なかなか炎の呼吸が習得できない私を根気強く励ましてくれたわ。君には見込みがある、だから俺も全力で稽古しようって。結局私は自己流である恋の呼吸を派生させたけど、今となって少し思うのは、私が炎の呼吸を継げてたら良かったのかなって。まさかこうなるなんて..思わないじゃない？誰も」


ー煉獄さんが..急に目の前から居なくなるなんて、思わないじゃない..ー


ーーー


「あーん駄目です師範〜...やっぱり私、剣士に向いてないのかも」

『甘露寺それは違う。君はもとても筋が良い、俺が保証する。君が剣士に向いてないのではない、強いて言えば...そうだな、呼吸が合っていないのかもしれない。次からは型に嵌らず自分の思うままに刀を振ってみてくれ！」



「出来ました！出来ましたよ師範！でも..これは炎の呼吸じゃないですよね。ごめんなさい私、せっかく煉獄さんに指導して貰ってるのに、炎とは別の呼吸を派生させちゃうなんて」

『良くやったな甘露寺！さすが俺の見込んだ継子だ。それでいいんだ。甘露寺に合う最高の呼吸法が見つかったのならそれでいい。これから君はその呼吸を極め抜く事だ。なに気にする事はない。」


ー【心の燃やし方は人それぞれだ】...ー



蜜璃は過去に煉獄に言われた言葉を胸に走り続けてきた。彼は、蜜璃が炎の呼吸を継ぐことが出来なくてもそれでいいと笑い、攻めるどころか成長を心から喜んでくれる人だった。
誰かに必要とされる、認められる事に飢えていた彼女は、そんな煉獄の言葉が物凄く嬉しかったのだ。

けれど、その尊敬する恩師の死を経て、迷う夜も多くなった。
今の自分が本当にあるべき姿で、彼の思いをそっくりそのまま継いでいる自信が、少しだけ...



「そうですよね..俺も、そう思いました。今でも煉獄さんが亡くなったなんて信じられません。でも、甘露寺さんは継いでますよきっと」

「..え？」

「呼吸法は違っても、剣士でもそうでなくても。心の在り方さえ同じなら、それは煉獄さんの意思を継いでいると言えるのではないでしょうか？」

「炭治郎の言う通りだと思います。甘露寺様と煉獄様が目指しているものは同じです。もちろん他の剣士達も皆、同じです」


彼女は彼等の瞳を見つめると、やがてそうねと笑顔で返した。


「ありがとう炭治郎君！Aちゃん！」

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