叶えたい夢 ページ3
ー密かに温めていた、俺の夢は...ー
炭治郎は気持ちを落ち着かせるように深く息を吐き、勢い余って押し倒してしまった彼女の手を引き身を起こした。
「正式な言葉ではまだ言えない、ごめんな...。でも知っていて欲しい。俺の気持ちを...。
俺も貴女と
「..炭治郎の理想?何だろう...気になるから言ってみて?」
ふわりと微笑んだ彼女の匂いはとても好意的で、今なら伝えられると思った。炭治郎はふぅーと深呼吸して、緊張ですっかり乾いた唇を懸命に動かした。
「こっ、子供はたくさん欲しい..です!!」
「ッ...」
「そしたら毎日笑い声も絶えないだろうし、絶対っ..幸せだと思うんです。子育てや家事なら俺も出来る事は手伝います。それで、いつかばあちゃんとじいちゃんになるまで長生きして..孫達に囲まれて最期を迎える。鬼狩りをしている今とは正反対の、幸せな夢です。」
ー言った...ー
特に子供なんて言葉は
正直言うと彼女に向かって発する機会はもっと先になると思っていたし、そのつもりだった。
以前、目前までいったものの体を重ねる事を拒否された。でもそれは現状を考えたら仕方のない事で、以来この類に関して触れるのは不謹慎であった為、連想される言葉でさえ互いに遠慮していた節があった。
でもこれは紛れもない自分の本音で、切望する夢なのだ。大家族で育った俺にとっては、賑やかな家庭が居心地が良かった。
そしてその
まだまだ経験足らずな未熟者が何を言ってるんだと思うだろう。鬼狩りなんて仕事をしてるからか、余計にそう思うのかもしれない。
ーそれでも、この欲求には抗えないー
あわよくば、自分と同じ考えでいてくれてたら良いのにと思ってしまう。同じ環境で育った彼女なら、俺の気持ちを汲んではくれまいか?と...
そう切に願いつつ炭治郎は真っ赤に染まった顔を上げる。
「!..」
しかしそんな心配は杞憂であったらしい。彼女は瞳を潤ませて微笑んでいた。炭治郎に賛同するかのように首をうんうんと縦に振って、溢れた涙を拭う動作をする。
「素敵!それってすっごく幸せな夢ね。絶対叶えようよ」
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八千代(プロフ) - ゆるどあさん» 合間見て更新していきたいと思うので、今後とも宜しくお願いします(*´-`) (2022年1月19日 19時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆるどあさん» ゆるちゃん最新話まで読んでくれてありがとう!(*´◒`*)まさにゆるちゃんの言う通りもう少し炭治郎は硬派だろうなぁと思ってるんだけど、可哀想になっちゃって結局今に至ります笑 表現とか褒めてくれてありがとうね!なかなか私生活が忙しくなってきたけど、 (2022年1月19日 19時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - と頷きながら、積極的すぎないか炭治郎!?とかドキドキしながら読ませて貰いました💕相変わらず言葉遣いとかか心の表現の仕方が物凄く綺麗で、素敵で、浄化されるような不思議な感覚になるね笑プライベートとの両立は大変だと思うけど、更新頑張ってね!また来ます! (2022年1月19日 15時) (レス) id: db34c5bdbe (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - 八千代ちゃんお久しぶりです!やっっと最新話まで読み終わったよ!!私の予想では(炭治郎の性格的に)無惨様倒すまでは引っ付かないんだろうなぁと思ってたから、ちょっと驚きながらもそうだよな、小さい時から我慢してたんだもんなぁ、寧ろ今までよく頑張ったよ→ (2022年1月19日 15時) (レス) id: db34c5bdbe (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます!(*´-`)いけない関係ってどきどきしますよね。更新頑張りますので、どうぞ今後とも宜しくお願いします! (2021年6月28日 10時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2021年6月10日 20時