とある仮説 ページ18
「え...いやいや、私は違うよ!日の呼吸は炭治郎の方で」
「っ!」
Aが炭治郎の両肩を引き寄せ、無一郎の言う事に対し猛烈に否定する。しかし彼は、おかしいといった風にふーんと首を傾げる。
「炭治郎のヒノカミ神楽が日の呼吸かもしれないっていうのは聞いてるよ。他でもない君が言うなら、僕はそれを信じるよ。でも、君の呼吸も星の呼吸にしては少し妙だった。さっき、急に太刀筋が変わったよね。僕には君が炭治郎と同じヒノカミ神楽を使っているように見えたけど」
「え..そんな、私が?違うよ!ヒノカミ神楽は私、父さんはもちろん、炭治郎からだって直接習った事ないし。それに、あれは日寄さんが...」
「日寄?」
「彼女の祖先の名前だよ。Aさんは時々、日寄さんと夢を通じて意思疎通を図る事が出来るみたいなんだ。もしかして..さっきの稽古中も?Aさんがヒノカミ神楽を使ってたって..どういう事なんだろう」
Aはただ日寄の諭した声のままに動いた。
彼女は日の神様を降ろすと言っていた。
その後だ。身体が自分の意思と反して動き始めたのは。ヒノカミ神楽と似ているが違う。
あれは...
「日寄さんが、日の神様を降ろすと言ってたの。それにさっきの私の型は、彼女が夢の中で踊っていた舞いだったと思う。ヒノカミ神楽と確かに体の使い方が似てるんだけど、多分..」
「降ろす?舞い?...それは呼吸の型じゃないって事?」
「...ごめんなさい。私も、感覚的な話しか出来なくて」
しょんぼりとしてしまった彼女を見て、無一郎は慌ててフォローを入れる。
「仕方ないよ。巫一族は君しか生き残りが居ないんだから、わからない事だらけで当然だ。
とにかく稽古はこれで終了。僕が言ったことはきちんと出来てるから、二人は次の柱のところに行っていいよ」
「え!」
「本当?」
「うん、でもその前に」
ーAが言うその夢の中の話、僕にも詳しく聞かせてくれない?ー
ーーーー
彼等は他の隊士が立ち入らない廊下へと場所を移すと、Aは炭治郎には一通り話した出来事を語り出した。加えて先程の稽古で聞いた日寄の言葉を伝える。
炭治郎はうーんうーんと唸りながら聞いていたが、無一郎は静かに何かを思案していた。やがて彼はこのような仮説を立てる。
「巫一族の巫女に伝わってきたその舞いこそが、日の神様を降ろす。つまり神降ろしの舞いで、そしてその力は日の呼吸に強く影響する。というのが自然な考え方かな」
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八千代(プロフ) - ゆるどあさん» 合間見て更新していきたいと思うので、今後とも宜しくお願いします(*´-`) (2022年1月19日 19時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆるどあさん» ゆるちゃん最新話まで読んでくれてありがとう!(*´◒`*)まさにゆるちゃんの言う通りもう少し炭治郎は硬派だろうなぁと思ってるんだけど、可哀想になっちゃって結局今に至ります笑 表現とか褒めてくれてありがとうね!なかなか私生活が忙しくなってきたけど、 (2022年1月19日 19時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - と頷きながら、積極的すぎないか炭治郎!?とかドキドキしながら読ませて貰いました💕相変わらず言葉遣いとかか心の表現の仕方が物凄く綺麗で、素敵で、浄化されるような不思議な感覚になるね笑プライベートとの両立は大変だと思うけど、更新頑張ってね!また来ます! (2022年1月19日 15時) (レス) id: db34c5bdbe (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - 八千代ちゃんお久しぶりです!やっっと最新話まで読み終わったよ!!私の予想では(炭治郎の性格的に)無惨様倒すまでは引っ付かないんだろうなぁと思ってたから、ちょっと驚きながらもそうだよな、小さい時から我慢してたんだもんなぁ、寧ろ今までよく頑張ったよ→ (2022年1月19日 15時) (レス) id: db34c5bdbe (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - かりんさん» コメントありがとうございます!(*´-`)いけない関係ってどきどきしますよね。更新頑張りますので、どうぞ今後とも宜しくお願いします! (2021年6月28日 10時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2021年6月10日 20時