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満月に吠えろ ページ39

くそっ!...


本体は勿論、帯と血の鎌も四方八方から攻撃を仕掛けてくる。それらを避けながら攻撃を相殺するので精一杯だ。
音柱ゆえに守備範囲の広い宇随でも、さすがに万全でない状態では攻めあぐねてしまう。

せめてもう一度Aの壱ノ型と共闘出来れば...もしくは【譜面】さえ完成すれば

しかし現実は厳しく、彼女は力尽きて今は炭治郎に預けている。
俺が毒さえ食らってなけりゃあ...
今頃戦闘を終えていたはずが、情けねぇ。



「っ!」


背後から血鎌の攻撃が迫ってくる。
逃げ道がない


その時、炭治郎が間に入り込み鎌の攻撃をギリギリの所で受け流した。
呼吸の特徴を掴み、学んだ技術を叩き上げで我がモノにしている。成長速度には目を見張るものがあった。

しかし、彼は限界を超えている。それは、呼吸音が物語っていた。




ジャキ


屋根の上で何が装填(そうてん)される音が聞こえ、直後、雛鶴が幾つものクナイを一斉に鬼目掛けて放った。


大した攻撃ではないと一瞥した妓夫太郎だったが、咄嗟(とっさ)に大がかりな血鬼術の発動に切り替える。
こちらの目的を勘づかれた事に宇随は舌打ちするも、想定の範囲内として、一瞬の隙をつきクナイを鬼の頸動脈へと突き刺した。と同時に両脚を削ぎ落とす。



鬼の足は再生しない。

分解できない事はないだろうが、時間稼ぎ程度にはなってくれと雛鶴は願った。

妓夫太郎はすぐ様毒の分解に取り掛かったが、突如として猛烈な息苦しさと頭痛に襲われる。



「なんだ..」


ふと空を見上げると、真夜中のはずが白夜のように白んでいる。俺達鬼にとってみれば、異様な雰囲気だった。
墜姫の中で眠っていた時、この攻撃を俺は食らった。


ーあの女の能力かー


憎しみの篭った眼差しで、満月を背に現れたその対象を睨み付けたが、この好機を逃しはしまいと宇随と炭治郎が刃を振るう。



「ちっ...」

足の再生が間に合っていないが、刃を防ぐべく妓夫太郎は血鬼術を放つ。
広範囲に渡る無差別攻撃と悟り、宇随は咄嗟に炭治郎とAを諸共蹴り飛ばした。







数尺先の家屋に叩きつけられた炭治郎の元へ、後からAが折り重なるようにして飛ばされる。


「っぅ...ごめ、炭治郎」

「..っ...大丈夫かA姉さ..!」


屋根の上の光景を見た時、炭治郎は大きく目を見開いた。
鎌鬼が殺気を帯びた形相で、雛鶴の口を乱暴に塞いでいたのだ。


まずい..


また

ーまた目の前で人が殺されてしまうー

苛烈なる闘い→←最善の策



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八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時

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