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面影 ページ33

「うおぉぉぉ!ドンドンボムボムすんじゃねぇよ入れねぇじゃねぇか!」


炭治郎に啖呵(たんか)切ってやってきたはいいが、まるで付け入る隙がなく伊之助はやきもきする。

その戦闘の様子を黙ってみていたAは、寧ろ好機だとばかりに口元を吊り上げた。
宇随のあの火薬玉は、脅威(きょうい)じゃない。
【寧ろ利用しない手はない】



「私行くね。伊之助達は隙を見て来て」


爆発と敵の攻撃が絶えない場所へと歩み出ようとするAの腕を、善逸がひしと掴んだ。


「勝算はあるのか?Aさんをみすみす危険には晒せない」


眠りこけた状態だが、それでも凛とした声色でそう問いかける善逸にきっぱりとこう告げた。


「大丈夫。宇随様の【音】は、私に味方してくれるから」


Aはすぐさま日輪刀を構え、ダッと駆け出したのだった。









宇随とAの連携により、立て続けに攻撃を放ち敵を追い詰める。
宇随は不思議な感覚に囚われた。
こいつの動きが手に取るようにわかる。いや...Aが、俺の動きを瞬時に(さと)れるのだ。

己の周囲の音全てを味方につけて、清き者には恵みを、悪しき者には脅威を与える。

即席だが阿吽(あうん)の呼吸が確立できている。
凄い...これが、巫一族の星の呼吸の力なのか。



シュウウウとあたりに煙が立ち昇った。


「まぁ、一筋縄にはいかねぇわな」


あの爆撃から兄を守るように帯が幾重にも重なっている。
こちらが阿吽であれば、敵も同じように対抗してくるという事だ。

2人で一つ..それは文字通りだ。


【同時に頚を切らなければいけない】という任務を達成しなければこの兄妹は倒せない。



やがて、帯がシュルシュルと剥がれ落ちていく。
Aは敵の全貌を明らかに見る。それは、相手方も同じであったが
Aの姿を見た途端、僅かに妓夫太郎の顔色が変わった。


「どうしたのお兄ちゃん?」


怪訝(けげん)そうに兄を見る妹。彼はボソリと口を開く。


「お前...日寄(ひより)か?」



ー日寄ー

どこかで聞いた名前。
A自身も動揺の色を見せる。彼は明らかに自分を見てそう言った。
幾年もこの時を渇望してきたのだとばかりに、妓夫太郎は手を伸ばす。


「その髪色、珍しい瞳の色...間違いねぇ。何であんたが」



ドンっ!


彼女の前に宇随が立ちはだかり、敵の腕を切り落とす。

「こいつは竈門Aだ。なんだか知らねぇが、気安く寄ってんじゃねぇよ」

妓夫太郎の記憶→←星の呼吸 壱ノ型



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八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時

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