木の葉を隠すなら ページ4
それは、どういうことなんだ?いや、そんな事よりも...
「嫁入り前のA姉さんにそんな事させられませんっ、そのつもりなら、今すぐ彼女は任務から外してください!」
「だぁから俺に逆らうなよって言ってんだろうが!こいつはそこそこ見目麗しい面してやがるし、従順そうだから情報搾取にはうってつけなんだよ」
宇随はそう言ってAの肩をぐいと引き寄せた。
その様子を見てカンカンな炭治郎を善逸達が宥めるが、こうなった彼は誰にも止められないだろう。
ただ1人を除いては..
「炭治郎、私が情報搾取に適任なら、この任務やるよ。大丈夫!節操の無い客はとことん蹴散らすから」
妙にやる気のAを見て、ぐぬぬと己を抑え込む炭治郎。
蹴散らしたら意味ねぇよと文句垂れる宇随はさて置き...遊女として潜入する時点で、ある程度の警戒が必要だ。炭治郎は深呼吸して、荒んだ心を落ち着かせた。
「わかりました...。その代わり、彼女には俺がついていてもいいですか?」
「え!お前女装する気?!」
こくりと本気で頷く炭治郎に、善逸は嘘だろと素っ頓狂な声をあげるが、お前もすんだぞと宇随にさらりと言われて絶望した眼差しを向ける。
「まじかよ...」
ようやく藤の花の家に到着した一行は、すぐさま作戦を練る事になった。
だがしかし...
「遊郭に潜入したら、まず俺の嫁を探せ。俺も鬼の情報を探るから」
宇随のその言葉を聞いて憤慨したのは善逸だ。
「ふざけないでいただきたい!あんたの個人的な嫁探しに部下を使うとはっ!」
どうやら善逸は、遊郭に彼の嫁候補を探させられるだけと思っているようだが、言っちゃ悪いが、いくらなんでもそんな茶番に果たして部下を使うだろうかとAは疑問に思う。
話を聞くと、やはり既に潜入している者がおり、定期連絡が途絶えたが為に宇随さん自らが出向くのだという。何らかの事件に巻き込まれた可能性が高いと踏んだようだ。
最も、その潜入者が彼のお嫁さんであり、3人もいた事実に関しては驚きを隠せなかったが...
気を取り直したように宇随が細かく状況を説明する。
「怪しい店は既に3つに絞ってある。お前達には、【内側】に潜入してもらう」
「ご入用の物をお持ちいたしました」
そこにタイミングよく家主が何やら奇妙な道具箱を持ってきた。
宇随がそれを受け取り中身をゴソゴソとひっくり返すと、女性物の着物や化粧道具が雪崩れてきた。
「よし、一丁やってやるか!」
182人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
晶(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時