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禰豆子の怒り ページ24

星の呼吸は、全ての呼吸の特徴を併せ持ってはいるが、決して単体での火力は高い方ではない。

Aが十二鬼月以上の鬼と戦闘を行ってきた際、
必然と巫の異能に頼らざるを得ない場面が多々あった。
しかし力不足の為、異能の扱いも不得手で消耗が著しかった。燃費が悪過ぎたのだ。


今は、鍛錬の甲斐あって身体能力は向上したし、禰豆子の薬の影響も少なからずあると思われるが、消耗スピードも前より抑えられてる。
加えてAは

【巫の異能と星の呼吸をうまく織り交ぜて技を繰り出す術】を見出した。



必要最低限の動きで、的確な技を繰り出す星の呼吸と、鬼の弱点をつく巫の異能。
身体能力に限界がある分、鬼を弱体化させる。
それが、彼女なりに編み出した対十二鬼月戦の戦法だ。

現時点ではAの方が押してるくらいに通用している。敵も思うように行かずにやけになり始めた好機だ。

墜姫の攻撃を掻い潜り、ついに日輪刀の刀身で頚を捉えるところまでいった。


「はあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「なっ!」


全集中の呼吸で、全身の力を刀にこめる。
しかし、刀はある一定以上先に進む事はなく振り切れない。Aは舌打ちする。

ーどうしてよ、これでも火力が足らないの!ー


間を開け過ぎた。まずい、反撃がくる。
墜姫はにやりと笑った。


「ふふふ、あんたじゃあ私の頚は切れないみたいねっ!」


咄嗟に距離を取ったが、背中から伸びたいくつかの帯がAの体を斬り裂いた。


「ぅっ!...」


体勢を崩しドサリと屋根瓦に身体が打ち付けられた。
裂傷による激しい痛みが襲う。すぐに呼吸で止血するが、今の一撃でかなりの重症を負ってしまう。


やはり..
【他の呼吸と合わせなければ】頚までは取れないのか


背後の炭治郎は既に意識がない。
私が倒れたら、2人とも助からない。
せめて宇随様達が来てくれるまではと思ったが、向こうも戦闘を行なっている様子だ。
何とか、持ち堪えないと、私が守るんだ。生きて帰るんだからっ!


Aは柄を握り直す。
大きく肩で呼吸している彼女をみて、墜姫は蔑んだ眼差しを向ける。


「そんな目をしても無駄よ。今ので右上腕、左脇腹、左大腿部を切り裂いたわ。異能持ちの癖に、私の血鬼術食らうなんて阿呆よね?人間は本当..脆いわ」


終わりだと言わんばかりに帯を頭上に振り翳す。
その時、鬼の背後に黒い影が舞った。
ドゴォォと激しい地鳴りが響き、気付けば激昂した禰豆子が彼女達を守るように立っていた。

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八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時

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