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星の巡り ページ21

ー星の呼吸 参ノ型
流星(りゅうせい)斬り (連郡(れんぐん))ー


幾星が駆け巡り、血鬼術の帯を次々と切り裂いていく。光速のごとく速い斬撃。
その幻想的な光景は美しくすらあり、墜姫自身も目を奪われた。
この女、見間違えでなければ


ーときと屋の..こいつ、鬼狩りだったのー


墜姫はハッとする。私とした事が、この程度で狼狽えている場合ではない。
帯を分厚く寄り集めるようにしならせたその時、妙に息苦しい感覚を覚えた。


息が...っ
こいつの仕業か?
人間の分際で、妙な技を使ってんじゃないよ


墜姫がAに向かって素早く帯を差し向けた、
しかし、彼女はそれをかわして懐に詰め入る。


「馬鹿な」



あり得ない..
一反に集約した帯は空気抵抗もない分速い
街中の帯を身体に取り込んだ今、人間がついてこれる速さではない

男の鬼狩りもそうだが、人間ではないのかこいつらっ!



ー星の呼吸 伍ノ型 薄明光線(はくめいこうせん)


Aが日輪刀を振り上げると、
いくつもの光の筋が降り注ぐように、墜姫の体が穿たれる。


「っが!」


その傷らは灼けるように熱く上手く再生が出来なかった。さっきの鬼狩りの男と同じだ。
墜姫は気付く。
この女が人並外れて速くなったわけではない。


ー自分の動きが鈍くなったのだとー



トン



Aは炭治郎を正面から抱え込む体勢で、彼の胸元にぐっと手を当てた。


「大丈夫、もう無理はさせないから」


炭治郎はAを見つめる。しかし紅く燃える眼からは血が滴り、その瞳は何処を見ているのかわからない。心臓ははち切れんばかりに動いているのにも関わらず、彼は肺呼吸をしていなかった。

生命維持活動を停止させ、全て身体能力向上に注いでいる。いわば身体の限界値を超えている状態

Aは険しい表情を作る。



「自分を殺してはいけない!息をして炭治郎!」



ゴホッ

ひゅっと喉が鳴る音と共に彼は息を吹き返した。
途端に、Aにもたれかかりながら激しく咳き込む。痛々しいその有り様に、Aは悔やむ。


わかってたんだ。

炭治郎達が、いくら宇随様に退けと言われたとて、
安否が知れない人達がいて、それが鬼の仕業かもしれない事を知って尚、退くのはあり得ない事を。
彼は、そういう子だ。

自分のせいで、傷付いてはいけない人々を巻き込むくらいならと、一度は吉原を出た。
けれど


「死ななければいいのでしょう。誰一人として」


その為に私は
ここに戻ってきた

守るべき契り→←流星の救済



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八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時

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