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潜入役は誰だ ページ3

炭治郎は、やけにあっさり引き下がる宇随に戸惑う。

どんな任務内容かわからないけれど、
無理やりか弱い女の子達を拐ってまで仕事をさせようという辺りを見ると、この男は絶対に信用ならない。

だから、A姉さんを連れて行くというなら、自らも一緒に行く事を条件に出した。
多分、彼女の事だからアオイ達を連れて行くと言われれば己の身を差し出す事は目に見えていたから。


幸い、善逸や伊之助も共に来てくれるという事で
合計5人の大所帯で任務につくことになる。
それにしても...


「柱のこの人が自ら潜入しなきゃいけないような任務ってさ、やっぱりそれ相応だよな。」


善逸が額に汗を垂らしてそう炭治郎に耳打ちする。
確かにそうだ。
しかも、女性隊士が入用になる任務...

チラッとA姉さんの顔を見ると、やっぱり腑に落ちないという表情で闊歩する宇随の背中を見つめている。



「で?どこ行くんだおっさん」


伊之助が背中で退屈そうに腕を回しながらそう問いかけると、彼はこう答えた。


「日本一色と欲に塗れたド派手な場所」


その言葉を聞いて、善逸はキュピンと閃いたようだ。
心なしか、匂いが色めきだったような

「鬼の棲む【遊郭】だよ」



ー遊郭ー

馴染みのない言葉に炭治郎は首を捻る。
どうやら伊之助も同様で頭の上にはてなマークを浮かべていた。
とかく物知りの善逸は興奮したように鼻息を荒くしており、A姉さんは...僅かに頬を染めて不安の匂いを発していた。


善逸に説明を仰ぐと、彼は興奮気味にこう答える。


「お前ら知らないの?本当に?遊郭ってのはさ....要は色街だよ。男が金をはたいて女と【遊ぶ】そういう大人の街だ」


所々表現を濁す善逸に、何となく言わんとしている事はわかった。だから通りで...彼女の反応にも納得がいった。だから宇随さんは女性隊士を



待て
それは駄目じゃないか?


「花街までの道のりに、藤の花の家があるからそこで準備を整える。いいな?」


「ちょっといいですか!」


ズバッと手を上げて異議を申し立てる炭治郎。律儀に宇随は発言を許可した。


「男の俺達はともかく、まさかA姉さんにその役回りをさせる、なんて事を考えてないですよね?」


それを聞くと彼は、だからこいつにはバレたくなかったんだよなぁと頭を掻く。


「そのまさかだ。あぁ、勘違いすんじゃねぇぞ。Aだけじゃない、自ら志願してきたお前らも人事じゃねぇからな。言ったろ?【俺に逆らうなよ】って」

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八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時

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