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流星の救済 ページ20

槇寿郎さんは、俺には凄い力があると言ってくれた。
しかし、日の呼吸の使い手に、代々生まれつきあると言われる赤い痣、それは俺の場合、後天的に出来たものだった。
選ばれし日の使い手の条件に、俺は合わない。
それでも、力が足らなくても選ばれた者で無くとも、


人にはどうしても、退けない時があります


それは、理不尽に幸せを奪い去ろうとする禍者がこの世界に蔓延っているから。
罪なき人を傷付ける(おご)りがまかり通っていい訳がない。


A姉さんも、そんな世界を嘆いていた。

俺も
絶対に許さない




墜姫は彼が纏う空気感が変わったことに気付いた。
脚を取られた。その瞬間凄まじく灼けるような痛みが襲う。
だが、彼女にとっては【この程度】のダメージ等造作も無い事。すぐさま切り離された脚を取り戻す。

その光景を、炭治郎は血の涙を流しながら憐れ見る。



「生身の人間は、鬼の様にはいかない。奪われたものは二度と戻らない。失われたものは二度と還らない。
奪った罪の重さは計り知れない。それを、お前達は何故わからない?」



灼熱に揺らめく幻影を、少年に重ね見た。
自分の記憶で無くも、身体の奥底に染み付いているヴィジョン。
これは...



ドゴッ‼


景色を振り切るように、墜姫の強烈な鉄槌が屋根瓦を粉砕する。
自分よりもちっぽけな存在の癖に、ごちゃごちゃと説教垂れるのが非常に気に入らない。

鬼となった私は、生命維持活動にも困る事はない。我々鬼こそが、この星における最強の生命体であり、頂点に君臨するべき存在。
お前達人間は、鬼に跪き平伏すべき弱い存在なのだ。



「何をしてもいいのよ。強く美しい鬼はね」



炭治郎はその言葉を皮切りに地を蹴った。
まるで反省の色も見えない。変わらない。
この鬼にこれ以上何を話しても、無駄。


A姉さん、悪い。
貴女なら、もう少し粘るかな。
聖女のように優しいお人だから、こんな救いようのない奴等にも慈悲を持てるかもしれないな。

でも、俺は無理だ。
この怒りを鎮められる程俺は
出来た人間じゃない



敵鬼との攻防戦。不思議と、冷静かつ的確に状況を判別している自分がいた。そして、情景が遅く映るのだ。
見える、反応出来る、勝てる
このまま行けば.....



「駄目」



直後、辺り一面隕石が落下したのかと思う位に明るくなった。
墜姫は夜が明けたと錯覚したが、真上には月の形。
その瞬間、無数の流れ星に裂かれるように、帯が布切れとなって宙を舞う。

星の巡り→←狂気と臨界点



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八千代(プロフ) - 晶さん» コメントありがとうございます。なかなか時間が取れず更新不定期で申し訳ありませんが、頑張ります! (2020年3月25日 13時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 本当に面白いです。これからも更新楽しみにさせていただきます。 (2020年3月24日 21時) (レス) id: 181b777d16 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - コメントありがとうございます。そう言って頂けるととても励みになります。気ままに更新して行きますのでどうぞ宜しくお願いします。 (2020年3月17日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すごく面白いお話ですね。これからも楽しみにしております! 頑張ってください! (2020年3月16日 23時) (レス) id: 05cb836c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年3月15日 8時

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