共闘戦線 ページ20
反射的に娘の攻撃を避ける炭治郎とA。
少女は明らかに殺すつもりで2人に向かってキリを振り上げていた。
その表情は必死の形相で、大粒の汗が浮き出ている。
「邪魔しないでよ!!あんた達が来たせいで夢を見せて貰えないじゃない!」
鬼に操られているものと思っていたけれど
これは...
ひょっとすると彼女自身の意思なのか
他の子供達も武器を片手にじりじりと炭治郎達に詰め寄る。
「あんたも起きたなら加勢しなさいよ!結核だかなんだか知らないけど、あの人に言いつけて夢見せてもらえないようにするからね!」
涙を流し立ち尽くす少年に向かって、三つ編みの少女が脅しをかける。
結核...病気なのか、可哀想に..
この子達は、きっと各々何かしらの事情を抱えて現実に絶望してきた子供達だ。
そこに漬け込み利用するなんて...
「許さないわ..」
A姉さんの眼は静かな怒りを称えていた。
誰だって幸せな夢を見るし、その中に身を任せていたいと思う。俺も夢を見ていたかった。
でも、それは結局ただの幻想でしかないから。
辛いけど、苦しいけど、現実を受け入れて立ち向かう強さを持たなければ
この先何も勝ち取る事等出来ない。
ーだから俺達は、戦いに行かなきゃならないんだー
炭治郎は武器を手にしていた子供達の頸をつき気絶させる。
少年を見ると、彼は晴れ晴れとした笑みをたたえ、2人の無事を祈る様に送り出してくれた。
「気をつけて」
2人は大きく返事をして、気を引き締め直す。
禰豆子に縄を焼いてもらっても、やはりAの言う通り彼等の意識は目覚めないが、
必ずや後から追ってきてくれると信じている。
まずは鬼本体の性質を見極めなければ
炭治郎が列車の窓を開け放つと、身体中にまとわりつく様な悪気を瞬時に感知する。
A姉さんは既にこの臭気を感じた事があるようだ。
「風上から流れてきてる。恐らく本体は..」
「先頭車両だな。禰豆子!危ないからここで待ってろ!皆を起こしてくれ!」
一緒に来ようとしていた禰豆子を制して、2人は車両の屋根へ飛び移る。
高速で走る列車の風をもろともせず、一気に向い風の中駆け出した先に、1人の洋装の男が佇んでいた。
彼はこちらに気付くと、にこやかに笑ってやぁと手を振ると、マイペースにこう発する。
「あれぇ、起きたの?おはよう。2人仲良く来たんだねぇ」
Aは唇をきつく結んだ。
彼の両の瞳にはやはり、
【下弦の一】と刻み込まれていたのだった
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シャドウ&ライト - 推しとの!むいくんとの絡みが多くていい!応援!してます!!(現実ではただの根暗な(他人には隠しているけどそこそこのオタクでもある)やつ) (2020年11月25日 19時) (レス) id: 7ef4dd2d75 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 星月_hosituki_さん» コメントありがとうございます!面白いと言って貰えて光栄です。あと、誤字指摘ありがとうございましたヽ(;▽;)ただいま修正中ですので宜しくお願いします (2020年4月26日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - 面白いです!突然なのですが、無限列車編で血鬼術が鬼血術になっています。ぁ、一気読みしてきまぁーす!(読んでる途中でコメント書いた人) (2020年4月26日 15時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - くまくまちゃんさん» 炭治郎夢なんだけれども、無一郎と三角関係です(*´-`) どっちも可愛くて選べませんね (2020年4月15日 6時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - うぅ~炭治郎も可愛い。う゛ぅ゛~ (2020年4月15日 0時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月23日 14時