相違 ページ18
A姉さんは信じられない行動を取った。
当然のように善逸に覆いかぶさると、そのまま顔を寄せていく。
ちょっ...
ちょっと待った‼
炭治郎は咄嗟に手を伸ばし、Aの体を真逆の方向に引き剥がす。
すると何を余計な事をするんだとばかりに眉を吊り上げるではないか
いやいやいや、全く状況が読めないぞ‼
「何してるんだ正気か?」
蒼ざめた表情で問いかけると、当たり前だと言って強行突破しようとするものだから、炭治郎は堪らず声を荒げる。
「口吸いしようとするのが正気なわけないだろう!」
「...ち、違うよ!私が息を吹き込めばその人の血鬼術が消滅するの。そうすれば夢から目覚めるから」
どうやら彼女なりに根拠があって及ぼうとした行為なようだが、炭治郎はどうしても譲れなかった。
例え夢から目覚めさせる為でも、これが人命救助だったとしても、はいそうですかと見過ごせるわけがない。
彼女が他の男と接吻を交わす光景なんて..想像しただけで狂ってしまいそうだ。
「他に方法がある筈だ。」
「でも、禰豆子の血でも覚醒しないの。時間がないのよ!」
「俺が嫌なんだっ!」
「いい加減にしなさい炭治郎!!」
びくりと肩が震える。
彼女に怒鳴られた事で、炭治郎はそれ以上言葉を発する事が出来なかった。
聞き分けがない子供を叱るような怒り口調。
姉さんの昔からの癖だ。
でも...
こればかりは、流石に辛い。
他の事ならいくらだって我慢出来る。
...何でわかってくれないんだ
大変な状況だと言うのは勿論わかってるつもりだ。でも、A姉さんは、誰にでもそういう事が出来てしまうのか?...
そう思うと、酷く悲しい。
炭治郎は深呼吸すると、こう発した。
「....分かった。でもその代わり、俺に先にしてくれ」
「え...」
おい...自分が何を言ってるのかわかってるのか?炭治郎。
そう自問するが、現実の自分は聞く耳を持たない。
彼女がそう来るならこちらもこう出る他に選択肢は無いのだと突っぱねる。理性的なもう片方の自分を完全に無視した。
「善逸に出来るんだ。俺にも出来るよな?なぁ、A姉さん。」
禰豆子が目を見開いている。俺と繋がっていたらしい少年も口を開けたまま赤面していた。それでも、構わない。
じりじりと彼女に詰め寄ると、とうとう耐えきれなくなったようにこう叫んだのだ。
「た...っ炭治郎にだってしたでしょう!」
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シャドウ&ライト - 推しとの!むいくんとの絡みが多くていい!応援!してます!!(現実ではただの根暗な(他人には隠しているけどそこそこのオタクでもある)やつ) (2020年11月25日 19時) (レス) id: 7ef4dd2d75 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 星月_hosituki_さん» コメントありがとうございます!面白いと言って貰えて光栄です。あと、誤字指摘ありがとうございましたヽ(;▽;)ただいま修正中ですので宜しくお願いします (2020年4月26日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
星月_hosituki_ - 面白いです!突然なのですが、無限列車編で血鬼術が鬼血術になっています。ぁ、一気読みしてきまぁーす!(読んでる途中でコメント書いた人) (2020年4月26日 15時) (レス) id: d71fa0da5d (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - くまくまちゃんさん» 炭治郎夢なんだけれども、無一郎と三角関係です(*´-`) どっちも可愛くて選べませんね (2020年4月15日 6時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - うぅ~炭治郎も可愛い。う゛ぅ゛~ (2020年4月15日 0時) (レス) id: 5e524d6ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月23日 14時