交換条件 ページ13
よし!上手く捕まえたわ!ー
厄介そうな鬼狩りの男二匹はお父さんに任せて、
少女は手負いの女剣士をお得意の繭へ捕らえる。
この女を手にかければ、塁を守れる事を証明出来れば、私は姉の役割を果たしたと言えるわ。
溶解の繭は、特殊な溶解液が中に満たされている。
剣士が使う呼吸を封じれば、内部からはまず逃れられない。
その間にも、刻一刻と身衣や肉体を溶かしていくのだ。
「ざまぁ見なさい鬼狩り女!あんたのせいで、私が塁に捨てられるじゃないの!」
激しい憤りを露わにして、鬼の少女は何重にも繭を巻きつける。絶対逃れられない。あんたはここで私が殺す!
その時だった。内部から光が漏れる。まるで蝶が羽化する直前のように..
少女は目を見開いた。何が起こっているというの?
呼吸は使えない筈なのにっ
次々と灼き焦がれていく糸、そして燃え広がる紅炎が酸素を求めるように唸る。
満たされていた筈の溶解液は干からびていた。
こんなのあり得ない
「あんた..何者なのよ。ただの鬼狩りの剣士じゃ、ないわね」
Aは少女を睨み返す。
正直言えば今、余裕ではない。
ただでさえ手負いの状態であったにもかかわらず、
呼吸の使えない状態で、
彼女は巫一族の異能を使用した。
かつて鬼舞辻の血鬼術を灼いた時と同じく、
全身の体温を一気に上げる、
師範の元で修行した末何とかコントロール出来るようになったが、反動が大きい。
肩で息をしそうになるのを必死で堪えて、
呼吸を整えることに専念しようとした時だった。
「ぎゃあぁぁぁ!!!」
目の前の鬼の少女が顔を押さえて身体をよろつかせる。ぼたぼたと垂れる血が、何者かに傷を負わされた事を物語っていた。一体誰が?..まさか炭治郎達が
「その子を殺していいと、いつ、誰が言ったの。」
聞き慣れない声色。炭治郎達ではない...
声のした方、頭上を見上げると、子供程の背丈の鬼の少年がAを見下ろしていた。
今までの鬼とは違う妙な威圧感を感じる。
「うぅ..っ塁..だってこの女も、鬼狩りなのよ?私達を殺しに..来た敵なのよ。」
少女が涙ながらに訴えるが、少年は聞く耳を持たない。
彼はAに、向かって手を差し出した。
「ねぇ君、俺の姉さんにしてあげてもいいよ。自分はどうなっても他人を思いやれる優しさ。俺はそういう子と家族になりたいんだよ。【生かしておいてあげるから】俺のところにおいでよ。」
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時