偽りの姉弟 ページ11
親は子を守る為に命をかけて闘う。
それが、家族であり親子というものだろう?
その役割を果たせないのなら、
お前はいらないよ
【姉】と呼ばれた少女はガクガクと小刻みに体を震わせて、母と鬼狩りの戦いを見ていた。
隣には、弟もいる。
怖い...
無言で彼等の闘いを見ている弟から、いつ何時八つ当たりを受けるのではないかという恐怖。
戦いは明らかに母の劣勢だった。
あいつらが来るまでは良かったのに、塁もそこそこ機嫌が良さそうだったのにさ。
今は彼が何考えているかすらわからない。
顔も怖くて..見れない。
だって、だって、母が殺されてしまったら
いまこの時、今度は姉である私が累を守らなければいけないのよ。
役割を果たせなかったら私は..
「姉さん、あいつらは、家族なのかな?それとも友達なのか」
不意に累がそう呟いた。
びくりと肩を揺らしてしまったが、平静を装いながら返す。
「さぁ、似ていないし、ただの友達じゃないの?」
「....そうか」
頼むから家族であって欲しくない。
異様なまでに家族の絆に執着する累が、何をしでかすかわからないし、私達の家族の形こそが本当の絆であると信じてやまない彼が、綺麗な愛に触れでもしたら、私達はお払い箱だから。
「じゃああの女の子は、家族でもない奴を身を
「え?..」
状況を確認すると、母は鬼狩りの少年に頚を取られており、母の人形で傷を負ったあの猪はピンピンとしている。あれ..さっきは酷い傷を負っていたのに。
「姉さん見てなかったの?あの女の子、猪の傷を癒したけど【その分の傷が自分に跳ね返る能力】を使ったんだよ。」
累は興奮していた。
家族なら、家族だから当たり前と、口を開けばそう話していた彼が、家族じゃないのに自分を犠牲に誰かを助けるという、純粋な優しさを目の当たりにして目を輝かせる。
と思えば、途端に瞳から色をなくした。
「それに比べて姉さんは..【家族なのに】、自分は影でコソコソして自分が傷付きそうになったらすぐ父さんを呼んでさ、ねぇ..恥ずかしくないの?」
「...累、」
姉はかつてこんなにも累の
いつも汚れ役は母に任せていたし、自分は適度にいい姉を演じていればよかったのだ。
なのに
「もういいや。姉さん、いらないよ。
俺はあの子を姉さんにするからさ」
累は腕を掲げて糸を張り上げた
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時