すれ違い ページ49
「えっ...な、どうした?!」
突然の事にテンパり必死に彼女の背をさすり宥めるが、それが逆効果で
彼女からは、寂しさと、焦り、そんな負の匂いが入り混じっている。
少なくとも、彼女がこうなってしまったのは自分の影響もあったのかもしれない。炭治郎は激しく後悔した。
「ごめんな。A姉さん...。落ち着いたら、思っている事聞かせてくれないか?とりあえず、部屋に戻ろう」
そう言うとふるふると彼女は首を振る。
「っまだ...ッ......訓練...っぅしなきゃ、」
この状況でも、訓練を続行しようというのか。
無理だ、とてもじゃないけれど、心が不安定過ぎて、それどころじゃ
「ぁー...炭治郎、泣かせたの?」
後ろを振り向くと、時透が無表情で佇んでいた。
少し..怒っているようだ。
彼はA姉さんの頭を一撫でして、猫撫で声でこう囁く。
「よしよし、可哀想にねA。
たくさん頑張ってるのに、あともう一歩の所で炭治郎に負けちゃったか。君はいい線いってるよ。才能あるから。だから、僕のとこにおいで?A。
僕なら、君を強くしてあげられる。妙な感情に揺さぶられることも無くね。」
彼がそう言うと、A姉さんは少し落ち着きを取り戻したようだった。
勿論、無性にこの状況は気に入らない。彼女を慰めたのが自分以外の男と思っただけで、黒い感情が満ちて来る。
でも...
今の炭治郎にはどうする事もできない。
彼女を、こうしてしまった元凶は、少なくとも自分にあるのだから。
どうかな?と再度時透が問いかけると、
A姉さんは、ゆっくりと頷いた。
それを見た瞬間、全身の血の気がひいていくような感覚に苛まれた。
「...…A姉さんッ..」
悲痛な炭治郎の呟きも虚しく、時透は彼女の肩を抱いて部屋を出て行ってしまった。
残された炭治郎は、ただ呆然とその後を見つめるしかなかった。
予想だにしない展開に、今日はひとまず訓練は中止という事になり、それからはどこを通って部屋に戻ってきたのかも記憶になく、ボスリとベッドに身を投げた。
炭治郎のそんな様子を見て、善逸はそっと声かけた。
「大丈夫...じゃ無さそうだな。ずっと訓練サボってた俺が言うのもなんだけど、仕方ないよ。お前はすみちゃん達のサポートありきでここまで来た。彼女は、時透さんのサポートを受けて打破出来ればいい。そう、割り切るしかないだろ?」
あぁ、わかってるよ
262人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時