後悔の苛み ページ31
「ごめんくださいませー」
玄関でいくら声をかけても返答がなく、恐る恐る庭の方へ出向くと人影があった。
蝶に囲まれ微笑みを称える少女はただこちらを見つめる。
「継子様だ。名前は確か..栗花落カナヲ様」
聞くと継子というのは、柱が育てる才能を秘めた剣士とのことで、まだ若いけれど相当手練なのだろうなと思う。
けれど..何だろう。あまり感情が感じられないからか、不思議な感覚だ。
大声で話しかけて来たアオイとは対照的だった。
屋敷の中に通されると、善逸が何やら騒いでおり、
看護の子達が手を焼いていた。
目立った外傷こそないが、極端に短い手等を見ると、
鬼と対峙したのだろうという事はわかった。
あんなに駄々をこねていたのに..
「善逸!大丈夫か?怪我をしたのか?山に入ってきてくれたんだな..」
炭治郎が話し掛けると善逸はひしと泣き付いた。
「伊之助と村田さんは?それから..あぁ、善逸はまだ会ったことないかもしれないけれど..」
「A様ならお隣の部屋です!まだ意識が戻っていないのですから、いくら別部屋だとしてもどうぞ、お・し・ず・か・に!」
アオイは口籠っていた炭治郎を手助けするようにそう告げた。最後の方は善逸に対して皮肉を込めて語尾を強めると、キビキビとした様子で去って行こうとする。
「あ、待ってください!
意識が戻らないって..彼女は無事なんですか?面会は厳しいですか?」
炭治郎に呼び止められた彼女は、彼を
「勿論、命に別状はありません!今は容体も落ち着いていますから。意識が戻るまで面会は..本来認められませんが、特別に炭治郎さんは許可しましょう。
その代わり!あなたが自力で動けるようになってからです。それまではご自分の治療に専念してください。あなたも重症のうちなのですよ?」
それだけマシンガンのように捲し立てるとアオイは部屋を後にした。
「なぁ炭治郎。Aさんて..お前のお姉さんだろ?
別行動してるんだとは言ってたけど、あの山にいたのか?」
善逸がなるだけ柔らかい声色でそう問いかける。
炭治郎からは、恐ろしく悲しい音と、切ない音が聞こえてきたから...
「後から助けにやってきてくれたんだ。戦闘中だったからあまり話も出来ないまま、こんなことになってしまったけれど。いつもA姉さんが助けに現れてくれるんだ。情けないな..」
すると隣でむくりと伊之助が起き上がる。
「きな子..俺のせいだ」
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時