巫一族の舞 ページ24
Aの躊躇いのないその言葉を聞いたアマネ様は、一族の悲願が達成出来たと言うように、僅かに口元を緩ませた。
「そうですか。A様がそう言うのなら、きっとそうなのでしょう。お答えいただきありがとうございます。炭治郎様もそうですが、一隊士の貴女にこのような酷な事をお願いせざるを得ない状況となってしまい、申し訳ございません」
「あ、いえそんな!」
慌ててばっと頭を下げる。アマネ様の微笑んだお姿はあまり見た事がなかったので、不覚にもどきりとしてしまった。お美しかった。お館様同様、妙に人を惹きつけるそんな魅力が彼女にはあった。
彼女は神職の出であると聞いた事がある....
話がこのまま終わってしまいそうだったので、Aは
「アマネ様。少しお話したい事があります。宜しいでしょうか?」
「はい。構いません」
発言の許可をいただけた事に安堵すると、Aは最近よく見る【夢】について語り始めた。
不可思議であり不確かなこの現象について、柱や師範はもとより、身近にいる炭治郎にすらまだ打ち明けてはいない内容だった。
しかし時間がないという今、もしもこれから先の最終決戦に向けて、何か飛躍的な進歩となる重大な意味を持つのだとしたら、公表しないわけにはいかないかもしれないと思ったのだ。
「上弦の肆と戦った後から、ある夢をよく見るんです。」
「どんな内容ですか?」
「巫一族だった私の先祖が、祭壇の前で舞を踊っていて、私はただただそれを側で見ています。向こうはこちらの存在に気付いてるようで、時折視線を向けるのです。でも体の動きは止めないし、話しかけられる事もない。私から干渉する事も出来ない。そんな夢をここ最近毎日のように見ていて..」
その光景は、何処となく幼い頃に見ていた父のヒノカミ神楽と重なった。
父もまた、年の始めにひたすら竈門家代々に伝わる無病息災の舞を踊っていたから。私は女児だったから炭治郎とは違い直接指導を受けた事はなかったけど...
「なるほど。それは、一種のお告げのような意味合いを持つ可能性もあります。A様の先祖は、今の貴女に何かを伝えたがっている。私も神職の家系でしたから、そういう類はよく目にしていました。
その巫一族の舞が、ひょんなところから救いの光明となるかもしれませんね。」
ー炭治郎様の【ヒノカミ神楽】と同じようにー
172人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八千代(プロフ) - あいさん» リアルの日常とても辛い思いをされてるのですね..私の作品が少しでもあいさんの普段の楽しみになれたのならこんなに嬉しい事はありません。私こそ暖かいコメントに勇気とモチベを貰えました笑ありがとうございます! (2021年5月20日 22時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます(*´-`)何度も読み返してくださってるなんて光栄です!亀更新で本当申し訳ないのですが、私も思い入れのある作品なんで、頑張って書きます!ありがとうございます!冨岡さんの夢は初挑戦ですが星詠み終わったら検討いたしますね(*^^*) (2021年5月20日 22時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き→冨岡さん落ちの夢小説も読んでみたいです!あくまで個人的な希望なので無理せず、ご検討よろしくお願いします!私は精神障害で親からの当たりも酷くて毎日死ぬほど辛い状況ですが、このお話を読んで少し元気をもらいました。ありがとうございます! (2021年5月20日 20時) (レス) id: b63ea41164 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんは!このお話とっても面白いですね!既に5回くらい読み返してます!そのくらい好きなお話です!更新を楽しみにしています!これからも、頑張ってください!応援しています!個人的な希望なのですが、このお話が終わったらでもいいので、八千代さんが書いた、 (2021年5月20日 20時) (レス) id: b63ea41164 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 花霞さん» 良かったです(^^)ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年12月7日 18時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月30日 22時