確信 ページ23
ーAsideー
数日が経過した朝、Aは両脚でダンっと床を叩いた。
「よしっ!」
骨折した痛みは全くなく、体の動きも本調子だ。
これでようやく自分も柱稽古への参加許可がいただける。早く、早く皆に追いつかないとと急く気持ちを抑えつつ、Aが身支度を整え足早に部屋を出た時だった。
「っ!」
Aの出現を待ち受けていたかのように、バサっと鎹烏が肩に降り立つ。
見ると彼女の足には上品な和紙が括り付けられていた。
「...何かしら。誰から?」
丁寧に丸まっていた文を開き内容に目を通していくと、驚愕に目を見開いた。
そこには、柱稽古に参加する前に産屋敷邸に参じるように記されていた。差出人はもちろん、お館様の御名だ。
ーお館様直々に、一体自分に何をお話されるおつもりだろうか?ー
内容までは全く想像がつかないけれど、きっと何か重要なお考えがあっての事に違いなかった。
Aはひとまず指示の通り、産屋敷邸に向かう事にする。
久々に訪れた産屋敷邸の庭。その中程まで足を踏み入れると、現れたのはお館様ではなく、奥方のアマネ様であった。
どういうわけかと混乱しながらも、Aはその場で跪き頭を下げる。アマネ様は目の前まで歩み寄ると、単刀直入にこう話し始めた。
「産屋敷耀哉の病状悪化により、代わりに私から貴女へお話をさせていただきます。竈門A様。柱稽古の前に貴女をここへ呼んだのは、今一度責務を改めていただき、ご協力願いたいからでございます。
現在、鬼の出現は小康状態にありますが、お館様によると鬼舞辻無惨の動きはいつ活発化するかもわからないとのことです。
要するに我々には時間がありません。故に、貴女の巫の能力には多大なる期待がかかっているのです。」
Aはごくりと生唾を飲み込む。アマネ様は概ね二点程告げられた。
一つ目は、痣の出現及び巫の異能を常時使用できるようにする事を目指し、柱を始めとする鬼殺隊全体の戦闘力の底上げを図る事。
そして二つ目は、炭治郎の使用するヒノカミ神楽との共闘訓練を行うというものであった。
「A様。一つ、ご確認なのですが、炭治郎様が日の呼吸の使用者であるという確信をお持ちですか?貴女の、率直な考えを述べてください」
そう問いかけられたAは、しばらく考えた後、真っ直ぐにアマネを見据え、はっきりと答えた。
「はい。彼は間違いなく日の呼吸の使い手です」
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八千代(プロフ) - あいさん» リアルの日常とても辛い思いをされてるのですね..私の作品が少しでもあいさんの普段の楽しみになれたのならこんなに嬉しい事はありません。私こそ暖かいコメントに勇気とモチベを貰えました笑ありがとうございます! (2021年5月20日 22時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - あいさん» コメントありがとうございます(*´-`)何度も読み返してくださってるなんて光栄です!亀更新で本当申し訳ないのですが、私も思い入れのある作品なんで、頑張って書きます!ありがとうございます!冨岡さんの夢は初挑戦ですが星詠み終わったら検討いたしますね(*^^*) (2021年5月20日 22時) (レス) id: cc4d50fa77 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き→冨岡さん落ちの夢小説も読んでみたいです!あくまで個人的な希望なので無理せず、ご検討よろしくお願いします!私は精神障害で親からの当たりも酷くて毎日死ぬほど辛い状況ですが、このお話を読んで少し元気をもらいました。ありがとうございます! (2021年5月20日 20時) (レス) id: b63ea41164 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - こんばんは!このお話とっても面白いですね!既に5回くらい読み返してます!そのくらい好きなお話です!更新を楽しみにしています!これからも、頑張ってください!応援しています!個人的な希望なのですが、このお話が終わったらでもいいので、八千代さんが書いた、 (2021年5月20日 20時) (レス) id: b63ea41164 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 花霞さん» 良かったです(^^)ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年12月7日 18時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月30日 22時