★精一杯の贈り物を貴女へ 〜壱〜 ページ25
A姉さんが誠一郎さんから
ー俺だって..何かA姉さんに贈り物をしたいなぁー
勿論、いつかはあの人のよりも綺麗でA姉さんにうんと似合う簪を贈るんだというのは炭治郎の夢であるが、今はとてもじゃないがそれは叶わない。
もっと大人になって..稼げるようにならないと。
そんな劣等感からだろうか、別の物でもいいからA姉さんに贈り物をして喜んで貰いたいと、誰でもない俺が渡した物で笑って欲しいのだと、そんな事を考える毎日だ。
存外俺は、嫉妬深い方なのだなとこの一件で気付かされたのだった。
それにしても、A姉さんは一体何をあげたら喜んでくれるのだろう?
さり気なく聞いてみた事はあるが、そんな事気にしなくていいのよとか、私はいいよとか、禰豆子もそうだがうちの女性陣は謙虚過ぎて、情報収集にはなかなか難儀した。
姉さんも年頃の女の子だから、お洒落に憧れはあると思うのだけど、きっと家計の事を考えて遠慮してるに違いない。ましてやA姉さんは俺達年下の家族に甘えたり弱みを見せたりしないたちなのだ。
余計に難しい。残念ながら俺も、お世辞にも女心に敏感な方ではないから...
そんな頃、何気ない日常会話を耳にした。
「あれー..お姉ちゃん!」
「なぁに禰豆子」
洗濯物を取り込んできた禰豆子は一目散にAの元へと駆け込み、ずいっと手に握り締めていた物を見せた。
「お姉ちゃんの髪紐、もうこんなにボロボロよ。次洗濯したら切れちゃうよきっと」
「あー..そうね。傷んできてるのは気付いてたんだけど、新しいの繕うかなぁ」
そう言って布の端切れをごそごそと探し始めたが、彼女の長い髪を結えそうな手頃なものはどうやら見つからなかったらしく、小さく項垂れていた。
「仕方ないわ。まだ縫えば使えそうだし大丈夫!気にしてくれてありがとうね禰豆子」
そんな姉と妹の会話を小耳にして、炭治郎はピンと閃いた。
ーそうだ、A姉さんに新しい髪紐かリボンを贈ってあげようー
それなら炭治郎でも手に入れられそうだった。所詮素材は布なのだから、手が届かない程高価でもないだろうと踏んだのだ。
【そうと決まればさっそく明日町に炭を売りに行った時に、A姉さんに似合いそうな物を探そう】
炭治郎はそう意気込んだのだった。
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ライ - 全然大丈夫です!むしろ八千代さんの書いた星詠みの設定凄く好きなのでその設定にして頂けるとこちらも嬉しいです♪ありがとうございます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
ライ - ありがとうございます!!こちらこそよろしくお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» ただ基本星詠みの番外編とさせていただいてるので、設定はそちらに寄せさせていただきますのでご了承ください。頑張って書きます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» コメントありがとうございます(*´-`)その設定は私としても大好物です笑 是非リクエストに応えさせたいただきたいので宜しくお願いします。 (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ライ - いつも更新楽しみにしています!勝手なのですが、炭治郎がヤンデレで夢主が他の男性と仲良くしているのを見て激しく嫉妬するお話を書いて頂けませんか…?良ければお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月1日 19時