無自覚の恋慕 〜弍〜 ページ23
煉獄さんがそう無一郎君に問うと、彼は平然ととんでもない事を述べた。
「確かにあの子はまだまだ弱い。戦わせる以上は、強くなって貰わないと困ります。なので」
ー彼女は僕の継子にして鍛えあげますー
彼は真っ直ぐに柱の面々を見据えてそう言った。これには何人かざわつく。密かに継子にしようと目論んでいた者。彼が継子を持つ事自体あり得ないと驚きに目を見開いている者。理由はそれぞれであった。宇随さんがすかさず口を挟む。
「おいおい時透、いくらお前が直接間に入ったからって、それは抜け駆けってもんだろ?竈門Aは派手に面白い奴らしいじゃねぇか、俺も立候補しよう。」
堂々たる佇まいでそう発する宇随さん。それを言うならと煉獄さんまで前へ出るものだから、明らかに彼は面白くなさそうに顔をしかめた。
この場にいた柱は全員気付いたであろう。彼が発する気が一気に鋭くなった事を...
現にしのぶちゃんは緊張した面持ちに変わったし、不死川さんは面白くなってきたとにやり笑っていた。
「僕が継子にします。彼女は星の呼吸の使い手であり、元星柱の瑠璃千代様の弟子でもあります。僕が継子にする道理は通っている筈」
いたって合理的な理由を述べているけれど、私の直感で言えば、もっと【単純な理由】があるように思えた。
でなければ、普段の冷静な無一郎君なら、宇随さん達が横槍をいれたとてこれほど憤慨する事はない。
(Aちゃんが他の柱の継子になるのがそんなに嫌な理由)
蜜璃はとある結論に至り、1人心の中で興奮を抑えきれずにいた。
ひょっとしたら無一郎君は..
「あ、あのー...確かに無一郎君が言う事も一理あると思うんです。直接Aちゃんと話したもの彼ですし、ここは無一郎君に譲ってあげてはどうでしょう?」
そろり提案すると、煉獄さん達は渋々ながら引いてくれた。我ながらいい働きをしたと思う。
こうしてどうにか満場一致で彼女の処遇が確定し、柱合会議は解散となった。
その場から颯爽と立ち去ろうとする無一郎を、待ってと背中越しに呼び止めた。
「ねぇ無一郎君、Aちゃんは継子になるの了承してるの?」
「いえ、まだ返事は貰ってませんが」
「そうなのね..あのね!私応援してるからね!」
そうエールを送ったが、彼は何の事だとばかりに首を傾げていた。あれ?..違ったかしら、私てっきり
「無一郎君、Aちゃんに恋したんじゃないの?じゃなきゃ、あんなに必死にならないかと思って」
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ライ - 全然大丈夫です!むしろ八千代さんの書いた星詠みの設定凄く好きなのでその設定にして頂けるとこちらも嬉しいです♪ありがとうございます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
ライ - ありがとうございます!!こちらこそよろしくお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» ただ基本星詠みの番外編とさせていただいてるので、設定はそちらに寄せさせていただきますのでご了承ください。頑張って書きます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» コメントありがとうございます(*´-`)その設定は私としても大好物です笑 是非リクエストに応えさせたいただきたいので宜しくお願いします。 (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ライ - いつも更新楽しみにしています!勝手なのですが、炭治郎がヤンデレで夢主が他の男性と仲良くしているのを見て激しく嫉妬するお話を書いて頂けませんか…?良ければお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月1日 19時