逃がさない 〜弐〜 ページ14
「ッ!」
炭治郎は反射的に手を引っ込める。
すると当然だが、Aの持つ湯飲みが持ち上げられ炭治郎へと突き出された。
Aは
持っていた湯飲みを元の場所へことりと置いて、ふうと溜息を吐いた。
「炭治郎今、意図的に手を引かなかった?困るわ、それじゃ訓練にならないじゃない」
「...ごめんつい。もう一度!」
脈打つ心臓を完全に無視して、炭治郎はそうチャンスを乞う。
内心驚いていたのは炭治郎も同じだった。カナヲやアオイを相手してる時は、手が触れたって全然気にならなかったのに、その相手がAになった瞬間、こんなにも意識してしまうだなんて、正直思わなかった。
それから何度か訓練を重ねた。やっぱり不意に肌が触れ合うのは避けられず、先程のようにあからさまに反応しないように気を付けはしたが、本気で勝とうとしてくる彼女には僅かに動作が遅れてしまう。
結果、炭治郎が勝てたのは10戦中僅か3勝。
これにはさすがのAも、炭治郎の調子を疑い始めてしまう。
「一体どうしたの、今日あまり調子良くない?具合悪いの?」
そう心配そうに眉を下げる彼女を見て、申し訳なさに胸がいっぱいになりつつ、ふるふると首を横に振った。
まさか、貴女と手が触れ合って緊張してしまい本気が出せませんでした。なんて口が裂けても言えない。情けない..。
「ならいいけど..じゃあ次は全身訓練やろうか!」
気を取り直してと言うようにぐっと拳を握るA。
そうだな..気を取り直して、気を...
そこではたと気づく。
たいして全身訓練も、炭治郎的には状況はあまり変わらない。
何故ならこれは鬼ごっこ。という事は、【どちらかが相手の体に触れない限り】終わらない。
「じゃあA姉さんが攻める側をやってくれ!俺が逃げる方をやる。本番を考えたら捕らえる方をイメージ出来た方がいいだろう?」
攻守は炭治郎の方からすかさず提案した。
深い意味合いはあまり考えていないだろう彼女は、快く了承する。
どちらかをやれと言うなら、まずこの選択肢以外はあり得ない。
彼女の体に触れる、という事がそもそも俺にとっては
「炭治郎」
「?」
「本気で捕まえに行くから、炭治郎も本気で相手してね。」
っ!
A姉さんはいたって真剣なんだ。遊びじゃない。
それなのに、密かにこの触れ合いに
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ライ - 全然大丈夫です!むしろ八千代さんの書いた星詠みの設定凄く好きなのでその設定にして頂けるとこちらも嬉しいです♪ありがとうございます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
ライ - ありがとうございます!!こちらこそよろしくお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» ただ基本星詠みの番外編とさせていただいてるので、設定はそちらに寄せさせていただきますのでご了承ください。頑張って書きます! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ライさん» コメントありがとうございます(*´-`)その設定は私としても大好物です笑 是非リクエストに応えさせたいただきたいので宜しくお願いします。 (2020年9月18日 12時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ライ - いつも更新楽しみにしています!勝手なのですが、炭治郎がヤンデレで夢主が他の男性と仲良くしているのを見て激しく嫉妬するお話を書いて頂けませんか…?良ければお願いします!! (2020年9月18日 12時) (レス) id: 36dcb4ceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年8月1日 19時