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どんな想いで ページ50

ー....


俺はずっと、A姉さんが怯えていたり悲しんでいたりする時は、とにかく側に寄り添ってその苦しみを緩和させたかった。
ずるい考えかもしれないが、彼女の唯一になる為なら手段は選ばない。

とことん優しくして、甘やかして、背中を撫でてやって。
よくお前は、誰にでも優し過ぎると善逸に言われた事があるが、A姉さんの前にいる俺と比較したらそれは幻想でしかない。
俺無くしてはいられないようにする。A姉さんの心が揺れるのをひたすら待つ。そうまでしてでも俺は、


【彼女の心が欲しかった】。



けれど...


未だに姉さんはなかなか掴めない。
家族という意味では、唯一無二の存在になれたとしても、彼女の特別にはなれていない。
俺が喉から手が出るほど欲しい関係性には程遠い。
どうしてもこの壁が壊せなくて、なのに彼女に言い寄る者は年々増えていくばかりで、焦りだけが募っていく。


ー今までのやり方では、生易し過ぎるのか。
そういうことなのか?ー


今見ているこの表情も凄く可愛いけど、あぁ...頼られてるなってわかるけど、それ以上の意味は持たない。
じゃなきゃ、こんな無防備に抱かれたまま無邪気に笑っていられないだろう。俺がどんな想いで、貴女を見つめているかも知らずに....



カチ...



フッと懐中電灯の明かりが消えた為、彼女は僅かにぴくっと肩を震わす。



「あれ..炭治郎、懐中電灯今消した?」


「...」


「炭...治郎?」



様子がおかしいと思ったのか、不安気に彼の名を呼ぶ。炭治郎は返答の代わりに、彼女の体をぎゅっと抱き寄せた。


「!」


真っ暗闇で互いの表情は見えない。だが、気配は何となくわかる。彼の耳飾りがすぐ側でカラリと揺れる音がした。鼻先が僅かに触れ合う。息がかかる。
次にやってくる感触は、容易に想像がついた。



ーどう、して...ー




「ちょっとあんたたち!イチャイチャしてないでさっさと進みなさいよ!」


「「っ!!」」



トンネルの出口へ二人同時に顔を向けると、鬼仕様のメイクを施した謝花梅が苛々した様子でスマホの懐中電灯を向けながら仁王立ちしていた。



「ちょっ、梅ちゃん。私達一応お化け役で..」


「うっさい!こいつらが進まないから後がつかえてんでしょ?」


やーやー梅達が話してる横で、咄嗟にAと距離を離した炭治郎は天井に頭をぶつけてしまいガンと辺りに物凄い音が響く。



「大丈夫?炭治郎」


「だだッ、大丈夫です!」



ーさっき俺、何をっー

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 現パロ   
作品ジャンル:アニメ
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八千代(プロフ) - 日月さん» コメントありがとうございます!凄く細かいところまで見て感じてくださってとても嬉しいです(*´-`)これからも二人の応援宜しくお願いします。 (2020年8月30日 18時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
日月 - 八千夜さん!炭治郎君可愛い過ぎます!!!本当に有難う御座います!とっても面白いです。個人的な感想を言うと○○姉さんを独占出来る俺の特権なのだがメチャ好きです!八千夜さんは言葉遣いもとても綺麗ですね!見習います!これからも応援してます!更新頑張って下さい! (2020年8月30日 15時) (レス) id: 3cf6a9796c (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - 詩都花@おしづさん» コメントありがとうございました!こちらこそ、イメージに合う素敵な素材と出会うことが出来てとても嬉しいです!また機会がありましたら利用させていただきますので、宜しくお願いします(*´-`) (2020年5月21日 22時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
詩都花@おしづ(プロフ) - 確認致しました。異常なしです!八千代 |さんの作品はとても素敵なので(私とけた違いw)これからも頑張ってください!応援しています!! (2020年5月21日 21時) (レス) id: 3a39613abc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八千代 | 作成日時:2020年5月20日 22時

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