君はつれない女の子 - kwmr ページ22
「花吐き病、ねえ」
ネットミームの類だと思っていたんですけれど、本当にあるとは。
地面を覆い尽くさんばかりに散らばる花々をしげしげと眺めながら、河村さんが言う。
いや、あなたほどの頭脳があるのなら、まずは助けてくれてもいいのでは……？
……なんてことを口に出そうにも、少しでも口をひらけば新しい花が喉の奥から溢れてくる。
うおえええええ、とおよそ女子からぬ音声と共に大量に散らばる花、花、花。
病よ、なぜ名前に見合う症状を持ってくれなかった……。
命名者と河村さんを恨みながら花を吐き続ける私を無視し、スマホを凝視する河村さん。鬼か。
花は外気に触れると生気を取り戻すようで、地面に落ちるとふんわりと生花の状態に戻って行く。
こんなに大量の花が私のどこに詰まっていのだろう。
いつの間にか倉庫には、ぶ厚い花の絨毯が敷かれていた。
……実体は、腰の深さまである花のプールだが。嘘でしょ。
「なるほど、片思いを拗らせるとかかる奇病、と……」
ぶつくさ言っていた河村さんはスマホをしまうと、ようやく花をかき分け私の方に向かってきてくれた。
やったー！助けてくれるんですね！
「結論から言うと、花吐き病を治療する方法は分かりませんでした」
けれど、花を吐かせなくする方法は分かったので、今から試してみます。
そう宣言すると河村さんは、腕いっぱいにかき集めた花びらを、部屋の真ん中に放り投げた。
一面の桃色で視界が覆われ、一瞬何も見えなくなる。
その刹那、唇に柔らかな感触が。
花吹雪が落ち着き、目の前に現れた河村さんを見て、え？と問いかけると、河村さんは肩をくすめて「さあね」のポーズをした。
片思いが原因なら、恋する相手を変えたらいいんですよ。水内さん、僕に恋してみませんか？
花びらを纏った河村さんはちょっと格好良くて。
え、もしかして河村さんてイケメン？なんて呟いたら、ちょっと河村さんに怒られた私だった。
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ななほし(プロフ) - *ゆ う*さん» ご連絡ありがとうございます。申し訳ありません、お名前は水内碧（みずうちあお）で固定となっております。名前変更に対応しましたら、別途お知らせさせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。mm (2021年1月24日 2時) (
レス) id: d363622c09 (このIDを非表示/違反報告)
*ゆ う*(プロフ) - すみません、名前等は固定ですか？もし私の手違いでしたら申し訳ありません。 (2021年1月23日 16時) (レス) id: 0fa02a4fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななほし | 作成日時：2021年1月21日 19時
