【QK】あの子と、夢見がちな日々【izw】 (ページ1)

今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:4,159 hit

◎ゆるくいこうよ- izw ページ1

よかったあ、元気みたいで、とふにゃふにゃした顔で喜びの声を上げるのは、水内碧という同級生だった。
同級生ではあるが、見た目が若いを通り越して幼いため、
並んで歩いても兄妹か親戚か、最悪子守に間違われる。

この水内はなぜか俺になついていて、ことあるごとに伊沢くん伊沢くんとつきまとってくる。

見た目が幼い上に体も同級生たちより一回り小さいため、
つきまとう、というよりちょろちょろしている、という方が近いけれど。

その水内が、久し振りに授業で一緒になり、あまり授業に現れない俺の安否を確認し、安心した……
というのがこの状況だった。

「伊沢くん、また無茶してるんじゃないかと思って。今日も元気そうでよかったあ」

のんびりした話し方は、どちらかと言うと早口なメンバーと話すことが多い俺には新鮮で、
なんとなく落ちつかない気分になる。

めんどくさくはないけれど、どう接したらよいのかわからない、というのが、俺から水内への正直な気持ちだった。

俺の安否を確認したことに安心すると、水内は「じゃあね」と手を振り、自分の席に戻って行った。
俺は少しほっとして、授業の教科書をぱらぱらとめくり始める。