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◎ゆるくいこうよ- 6 ページ6
「あ、伊沢くん。おはよう」
「おはよう水内」
それから1週間もしないうちに、また水内と同じ講義の曜日になった。
水内は引き戸を引くなり講義室の隅に座る俺を見つけると、なんてことないように挨拶をする。
「伊沢くんが、今日も元気そうでよかった」
少し笑うと、水内はいつものように講義室の真ん中の、少し後ろの方にすとん座り、
バックパックの中からノートや教科書を取り出す。
束ねたプリントの端を机の上でとんとんと揃えながら、なんの気なしに上げた水内の瞳が、
水内を眺めていた俺の目と合い、一瞬驚いたように動きを止める。
けれどそれはすぐに緩み、水内はいつものように薄く微笑んだ。
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作者名:ななほし | 作成日時:2021年1月20日 2時