かわりになれたら。【mfmf】

9.起伏 ページ10

Aside


今、家への帰り道を急いでいる

帰りが遅くなるとは言ったが、まさか日をまたぐギリギリまでとは

マンションに着き、まず隣の家のチャイムを鳴らす

[ピンポーン]

……あれ?いつもならすぐ出てくる相川さんが出てこない。

試しにもう一度ボタンを押すが、同じだ。

もしかして寝ちゃったのかな?それだったら蓮も寝かせてくれたのか……

起こすのも申し訳ないので、とりあえず自分の家に帰ることにした

そう思って鍵を取り出してカギ穴に差し込んだが、なかなかカチャッっという音がならない

開いてる?ドアを引いてみると、スーッとドアが開いた

中は電気がついている。泥棒?もしかして蓮が点けっぱなしにしただけかな

恐る恐るリビングへの扉を開けると、


ま「あ、及川さん。えーと、あ、あの……お邪魔してます」

ソファに座ってる相川さんがいた

『あの、どうしてここに?』

ま「蓮くんにお風呂の沸かし方教えて、夜ご飯作って、あ、蓮くんはもう寝てるので……ってほんとに勝手にすみません。うどん作ったんですけど食べます?」

『あ……い、いただきます、』

おなかも減ってたし、普通のうどんよりおいしく見える

ま「ど、どうですか?」

『すっごくおいしいです、本当にありがとうございます。』

ま「良かった〜」

満面の笑みを見せた相川さん。

ま「じゃあ僕帰りますね、お風呂も沸いてますから、」

もう帰っちゃうのか……

ま「及川さん、どうかしましたか?」


『……いかないで』

ま「え?」

『お願い、まだ帰らないで……』

この人が優しすぎておかしくなってしまう、嫌だ、離れたくない

ま「わ、わかりました。」

顔を赤らめた彼が愛おしくてしょうがない

私の勝手な気持ちだけどね


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