魔族長と少女と (ページ8)

今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:33,093 hit

敵意よりも……__後編ページ8

ブンッ、

「ふぁっっ!?」

いきなり目の前に現れた男の人にびっくりしてしまう。

「君が言っている事、少しも理解出来なかった。……けれど、いきなり剣を突きつけた事は、申し訳ないと思っているよ。」

「いえ…私も軽々しく立ち入っちゃって、ごめんなさい。ここはあなたにとって大切な場所だって知らずに……」

「………そうだね。分かってくれたならいいよ。……もうここに来てはいけないよ？」

「分かりました！二度とここに来ません！約束です！」

小指を立て、指切りをしようとしたけど、

「あぁっ、こんな汚い手じゃ指切り出来ませんね……」

さっき切った手の血がまだ流れていて、これじゃあ指切りは出来ないよなぁと落胆する。

「……安心して下さい！！指切りしなくたって、もうここには入りません！」

「まだ血が……」

「舐めときゃ治ります！……じゃあ、今度こそさよなら！」

改めて手を振り、再び坂を登り始める。

ふう……なかなか……疲れる、ね！

でも後…少し！

やっとの思いで坂を登り切って、さっき開けた扉の隙間を通り、中にある椅子に少し腰掛けてから、外に出る。

おっ！こんな所に小川が！

偶然見つけた小川で、手をパシャパシャと洗う。

…こんなもんかな！

服も汚れてるけど、替えもってきてないし……このままでいっか！

明日からどうしよっかな～