魔族長と少女と (ページ6)

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出逢い__後編ページ6

「ここを真っ直ぐ行くと、扉があるキュ。扉を開けて中に入って、また扉を開ければ石柱キュよ。」

「分かった！ありがとねー！」

キュイ族の子が見えなくなるまで手を振ってから、扉を開けて中に入る。

中に入ったその先にも、キュイ族の子が言ってたように、扉があった。

この扉を開ければ…！

渾身の力で押してみるも、動いているかも分からない。

……負けるもんか！

「ふんっぬぬぬぬぬ………！……開い、た！」

重い扉を前に、フンフン言い続ける事……多分10分くらい？ようやく私が通れるくらいの隙間が開いた。

その隙間を通り、外へ出る。

うわぁ……

永遠に続きそうな下り坂を前にして、歩く気が削がれた。

……歩くけどね…！

下り坂を転ばないように慎重に降りていく。

あれが…石柱…かな？………ん？

石柱とみられる物に、寄り添うように静かに眠っている人がいた。

遠目からじゃよく分かんないけど…男の人かな？

穏やかな空気を感じながら、その人を起こさないように、静かに歩く。

それにしても静かな所だなぁ…

まるで隔離されているみたい…

周りをぐるりと見回す。

「おい小娘。そこで何をしているんだい？」

…!?

声の主の方を見ると、さっきまで眠っていた男の人が、こちらを睨むように見ていた。

あまりの殺気に、声を出せずにいると、ブンッ、という音がして、男の人が消えた。

「え……？」

男の人が消えた事より………

「さっさとここから消え…いなくなってくれるかい？…ワタシが手を出さない内に。」

私の喉に、ひやりとした剣が当てられた

その男の人は怒っているようだけど、少し寂しそうでもあった。