魔族長と少女と (ページ31)

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ギラさんの話__中編2 ページ31

一部のボコボコには嫌われてるらしいけど、それを気にする事なく悠然としているギラさんはやっぱり凄いなって思った。

終焉の者っていう人とギラさんの関係もよく分かった。

事の始まりから終わりまでを聞いて、少し悲しい気持ちになるとともに、ギラさんはとっても努力家なんだなぁって思った。

私だったら大切な人が近くにいるのに話せたり出来なかったら、ずっとその場所を離れないと思うし、少なくともギラさんみたいに動こうとはしなかった。

現実と向き合えるギラさんは大人だなぁ……

……でも、ギラさんだってイライラが溜まったり悲しくなったりする筈。

そんな時は、怒鳴り散らすでも何でもいいから、私を頼って欲しいな。

いつもいつもお世話になってるし、何より、ギラさんが苦しむのは見たくない。

そんな事を考えながら歩いていると、少し先に、ギラさんのシルエットが見えた。

「ギラさん！」

いつも呼び止められてばかりだから、今日は私から話し掛けてみた。

「ん？Aか、どうしたんだい？こんな遅くまで散歩してると、風邪を引いてしまうよ？」

そう言って、私の近くに来て、マントを貸してくれた。

「ありがとうございます...」

やっぱり優しいな...

.........よし、今日は色んな事をボコボコから聞けたし、ギラさんのイライラも吹き飛ばしてあげたいから、少し、勇気を出して言ってみよう！