魔族長と少女と (ページ20)

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番外編遊びと敵視中編ページ20

「えっ？何これ？」

顔の周りをたしたしと叩いてみると、硬い手触りを感じた。

ギリギリギチ……

「痛い痛い痛い！！」

この暗闇といい臭さといい……もしかしなくてもデクババに食べられてる…!?

「私はっ……美味しくっ…ないよ！」

力づくで頭をデクババから離す。

うぅ…ベトベトしてる…

「……君もこれに懲りたら、無闇やたらに近付いたりするのは控えるんだよ？」

と、ギラさんが私を見て言った。

「ギラさん……」

助けてくれなかったのは、教訓として私に教えてくれる為だったのかな？

「君に会った時から思ってたけど、君はもうちょっと自分を大切にする事を覚えた方がいいよ？」

え？

「大切にしてますよ？」

「…その言葉は……」

その体中にある傷を治してから言う事だね。

と言って私の顔に手を滑らせる。

「君は人間なんだよ？ちょっとした事ですぐに消えてしまう、弱い存在なんだよ？」

と言って私の頭を撫でる。

「……ワタシは君を気に入っている。だから……」

ワタシの為に、もっと自分を、大切にしろ。

そう言って、私の頬を撫でてから、

「それに、君が死んだら、君を産んだ人間だって、悲しむだろ？」

「……」

そう、かも知れない。

でも…

「君達人間は、親より先に死んだら、親不孝、と言うしね。」

その心配はいらない。

_____だって

「私には両親、居ませんよ？」

暗い雰囲気を作らないように、ちゃんと笑顔に、なれてたかな？

そう。私に親なんて、いなかった。