魔族長と少女と (ページ12)

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探し人ページ12

凄い！これは凄い！ギラさんに話してハイタッチしたい！

「ギラさーん！！」

どこにいるか分からないギラさんの名前を呼び、探す。

「ギーラさーん？」

「ギッ、ゲッホゲホ…ギラさーーん！！！」

むせながらも、ギラさんを探す。

「……………もういいもん。てゆうか、ギラさんに話しても、「だから？」って言われそうな事だしね…フン…」

ギラさんを何回呼んでも来てくれないので、いじけてしまった私。

ふーんだ！もういいもんねー！

…ギラさんは悪くないんだけどね。

近くにあった木の棒で、意味もなく地面にガリガリ書く。

「ん？Aじゃないか。こんな所で何をしているんだい？」

「うわ……」

びっくりして、嫌いな人と会った時のような反応になってしまった。

でも、特に気にする様子もなく、しゃがんでいる私の顔を覗き込んでいるギラさんに、

「足音しなかったんですが…また瞬間移動したんですか？…運動不足になりますよ。」

と、不機嫌なまま話す。

前にギラさんに会った時に、魔力についてある程度の事を教えてもらった私は、大体の事は理解できるようになっていた。

「…何ですねているんだい？」

「………」

ギラさんにそう言われて、やっぱりギラさんは悪くないのに、プンスカ怒っている自分が強烈に恥ずかくなって……

笑顔で全力ダッシュ。

恥ずかしいーー！！！

「今日の君、いつもよりおかしいよ？」

と、全力ダッシュの私の隣で駆け足程度でついてきているギラさんに、

「いつもよりって何ですか!?」

と立ち止まって聞く。

「そのままの意味だけれど……」

「私って、おかしいんですか？」

「少なくともワタシにはそう見えるよ？」

そう、なんだ……