【名前変換オリジナル】いろんなタイプの恋人とII

ふたりで ページ41

A「中止だ」

洋「うん」

A「中止だよ、中止…」

楽しみにしていた、高校生活最後の学祭。
世間で流行っているこの病気の波で、中止になってしまった。

A「やだ…やだ…」

洋「そうかな」

隣でさして気にしていなさそうな彼をみて、少し傷つく。
最後の学祭、彼と一緒にたくさんのことをしたかったのに。

A「なんでそんなに気にしてないの、私、最後だから、いっぱいしたいことあったのに、模擬店みたり、一緒に回ったり、花火見たり…」

私と一緒の最後の学祭だなんて興味なんてないのかな、とつい悲しくなって詰問口調でたたみかけてしまった。
ハッとして彼の顔を見ると、彼はばつの悪そうな顔をしたかと思うと口を開いた。

洋「別に俺は…学祭がなくても全部2人だけで違う場所で出来ると思ってたから…気にしてなかった…ごめんね」

A「え…」

興味が無いとは正反対のような返事が帰ってきて、相槌を打つ間もなく彼はさらに喋りだした。

洋「おれ、そんなに友達いないし、Aと一緒にいられたら学校でも学校じゃなくても楽しいし、別に学祭にそんなに執着してなかったから…Aの気持ちに共感できなくてごめんね」

A「い、いや、謝らなくていいよ！そんなこと考えてるって知らなくて、え、あ…」

なんだか嬉しくて頬が緩んでしまう。

洋「あ、ちょっと笑った、よかったよかった」

A「あ…」

洋「今年は、周りのみんなの記憶のない、2人だけの思い出を作ろうよ。」

まっすぐ目を見て言われて、やっぱり勝てないな、と思った。

A「うん…そうする。」

ーふたりでー

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