3. ページ24
_
私 side
「………ぅー、…ぅー、……」
「はいはい、怒らないのー、笑」
てんかんの日は、いつもよりもさらにお耳が敏感になっちゃう、ともくん。
だいきくんの元気なエールも、ちょっとしんどかったみたいで、私で塞いでうなってる。
ちょっと落ち着くまで玄関で背中をトントン。
落ち着いた頃には、お目目がとろんと眠たそうになってた。
そっと立ち上がって、リビングに行こうとしたところで、お腹が冷たいと思ったら、まさかのおねしょ。
落ち着いた証拠なのはいいけど、今おねしょしたらまた機嫌悪くなるでしょ、ほらぁ。笑
またぐずぐずになって、ついに泣き始めちゃったともくんを先にパパッとオムツにする。
泣いたらまた頭の刺激になっちゃうから泣かせたくないんだけど、まずは気持ち悪いパンツを着替えさせないと始まらなくて。
一番お気に入りのパジャマにして、なんとかあやす。
すると、また少しずつ落ち着いてきた。
落ち着いてきたところでまた、カクンと発作が起こった。
「…っふぅ、寝た、かな、？、」
そして、やっとともくんがまたスースー寝息を立て始めたのは、時計が10時の針をさした頃。
大変大変、ともくんの小学校も、私のお仕事も無断の状態だ。
お仕事に着て行こうとしてた服も、おねしょでぬれたままだし、こんだけ染みちゃったら落ちにくそう。
まぁ、でもいいや、今はともくんのしんどそうな姿が、なによりも心配だから。
服を洗剤水に浸して、私もともくんチョイスの部屋着に着替える。
そして、そこから学校とお仕事場に連絡したら、案の定、お仕事場には怒られてしまった。
もっと早く連絡できなかったんですか？、社会人としてどうなんですか？、って。
息子が、って言っても、理解してもらうのはなかなか難しい。
寂しいけど、それが世間の声。
だから、どんな理不尽なこと言われてもママはともくんの味方だよ？、そう伝えたくて、ともくんには思わず過保護になっちゃうんだよね。
てんかんも、それが理由で不利なことがあるかもしれない。
でも、大丈夫だよ、ともくん。
ママは、そしてもちろんパパも、ともくんの味方だから。
寝ながらも時折、ピクッと痙攣する身体にそっとふわふわの毛布をかぶせる。
もこもこの靴下も履かせて。
お熱にはなりませんように。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すぴん(プロフ) - まだまだ続きがあるとのこと、大好きなお話がまた読めるのは嬉しいです！完結までマイペース頑張ってください。楽しみ応援しています(^^) (2018年10月23日 15時) (
レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - 終わってしまうんですね...この作品大好きです！新作も楽しみにしています！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 43623a3210 (このIDを非表示/違反報告)
すぴん(プロフ) - お話が終わってしまうのは寂しいです。このお話好きでした。また、七不思議さんのお話楽しみにしていますね！ (2018年10月21日 14時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
由菜〜きりかみ寄りのきりかみじゅん担(プロフ) - ともくんの優しい心や、周りの人の配慮に触れられるこの作品、大好きです！私もともくんみたいになりたいなーって(*´∇｀*)これからも楽しみにしています！ (2018年10月1日 23時) (レス) id: c2e0efe9b5 (このIDを非表示/違反報告)
蘭丸(プロフ) - 番外編でのんちゃんのお話も書いて欲しいです！ (2018年9月29日 18時) (レス) id: ec8e103f7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茉都香 | 作成日時：2018年8月12日 13時
