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照史先生 side
転職をしたのは、俺がずっと担当してたともくんが小学校を卒業した年。
狙ったわけちゃうで?、たまたまやって。
ほんで転職してから3年後、まさかこんなところで再会できるなんて夢にも思わんかった。
「ともくん、こんにちは。 お、もう長袖着てるやん! 涼しなってきたもんな?」
中高生対象の就労準備型放課後デイサービス。
そこに再就職をしてバリバリ働いていると、高校生になったともくんが、お友達ののんちゃんと一緒にやってきた。
大きなったなあ、ってのと、そっかもう就労準備か、ってのでもう感動で。
学校が終わって近くまでスクールバスに乗れば、自分で歩いてやってくる、ともくん。
帰りも普通のバスに乗って、家まで。
はぁ、子供の成長って早いなあ。
「あっくん!、ともくん、きたあ?」
「ぉん、来たで、ってあれ?、のんちゃんまだおカバンからノート出してないんちゃう?」
「…あ! わすれてたあ!」
同じ支援学校の高等部に通うのんちゃんと、向かい合わせになって宿題をする、2人。
のんちゃんはともくんと同じくらい可愛らしい顔立ちやのに、実は180cm近い大男。笑
スタイルもすらっとしてる分、またともくんと凸凹コンビになるから、見てるこっちはなんか可愛くて。
宿題準備を手こずるのんちゃんに対して、スッスッと自分のことを進める、ともくん。
ほんま、こんだけスムーズに動けたらどこに出しても恥ずかしくない。
まあ、ともくんは将来、親友のだいきのお父さんが経営してるカフェで働く予定らしいねんけどね。
「……んーっ、…んーっ!わかんないーっ!」
「はいはい、のんちゃん落ち着きます。 急におっきい声出したら、ともくんびっくりするやろ?」
「……わかんないー、」
「大丈夫、先生と一緒にやったらできるから。 一回お茶飲もっか? 休憩休憩。」
わからないことを爆発させるのんちゃんに比べて、カリカリと宿題をしながら、密かにわからないところを抱えてしまう、ともくん。
誰にも言えず抱え込みすぎて、てんかん発作に発展することもあるから、のんちゃんを教えながらも、注意深くともくんを観察。
今日は、珍しくわからんところがなかったみたい。
勉強は得意なともくんやから、今日もササっと宿題を終えて、お先に1人、机の下に潜り込んだ。
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すぴん(プロフ) - まだまだ続きがあるとのこと、大好きなお話がまた読めるのは嬉しいです!完結までマイペース頑張ってください。楽しみ応援しています(^^) (2018年10月23日 15時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
らな(プロフ) - 終わってしまうんですね...この作品大好きです!新作も楽しみにしています! (2018年10月21日 19時) (レス) id: 43623a3210 (このIDを非表示/違反報告)
すぴん(プロフ) - お話が終わってしまうのは寂しいです。このお話好きでした。また、七不思議さんのお話楽しみにしていますね! (2018年10月21日 14時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
由菜〜きりかみ寄りのきりかみじゅん担(プロフ) - ともくんの優しい心や、周りの人の配慮に触れられるこの作品、大好きです!私もともくんみたいになりたいなーって(*´∇`*)これからも楽しみにしています! (2018年10月1日 23時) (レス) id: c2e0efe9b5 (このIDを非表示/違反報告)
蘭丸(プロフ) - 番外編でのんちゃんのお話も書いて欲しいです! (2018年9月29日 18時) (レス) id: ec8e103f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉都香 | 作成日時:2018年8月12日 13時