ちっちゃいともくんと、私。２

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だいきくん side











「おぉー、涼しなってきたなあ。 ともくん、大丈夫か？ 寒ないか？」











マンションを出て、今日も駅まで15分の道のりを歩く。





俺はそのまま駅から電車、隣におるともくんは駅からスクールバスに乗ってそれぞれの学校へ。





夏休みも終わってちょっとしたら随分秋らしくなったもんやなあ。





昔からすぐ風邪ひいて入院とかしてまうともくんやから、心配でそう聞いてみたけど、さむないかー、っていうまさかのおうむ返し。





俺はまだ半袖やけど、ともくんは長袖を着てるから大丈夫か。





このなんとも言えないふわふわした空気感が落ち着く。





やっぱ2歳から一緒やからさ、朝は一緒に学校に行かんと一日が始まらんねん。











「秋やなあ。 もう知らん間に年越してまうんやろなあ、」











時には、理不尽なことを言われたこともあった。





違う学校やん、とかやったらまだわかるけど、ともくんの障がいのこととか、身体がちっちゃいこととかをバカにしたように言われたり。





そんなん正直、二の次やん。





ちょっと苦手なこととか、周りよりできへんなって思うこととか、自分にもあるやろ？って思うねん。





それより、ともくんはさ、ほんま俺なんか比にならんぐらい、めっちゃええ子やから。





何事にも一生懸命で、優しくて、でも意外と熱くて、とにかく周りを幸せにしてくれる子。





俺のおとうちゃんも、小学校の時の照史先生も、ともくんの主治医の淳太のおっちゃんも、みんな幸せになってた。





そんなんできる？普通？





ともくんは1番大事な友達でもあるし、俺の憧れでもある。





ともくんみたいなおおらかな、心の広い人になれたらな。





そう思いながら、今日も俺は朝から癒されて、幸せな気持ちにさせてもらってるんや。











「……あき、…9がつ、あき、…」

「ぉん、9月は秋やなあ。 最近まで夏みたいやったのにな？」

「……なつ、……6がつ、7がつ、8がつ、…」

「え、6月って夏なん？ 春？ いや、梅雨？ 何に入るんやろな？」











そんな話から、8月だいきくん誕生日、って言うてくれたり、今日ものんびりな15分が流れる。





支援学校のバスの先生ともすっかり仲良し。





今日も仲ええね！、って言われて、ちょっと照れ臭くなったり。











「ともくん、じゃあな！ また明日！」

「………また、あした、…」











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