＿私の涙で君が消えてしまう前に (ページ6)

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平凡な今日の落とし穴ページ6

昨日とは違って、やっぱり今日は平凡。

そんな毎日にも、油断してると落とし穴があることを、この時は忘れていた。

あれは、そう、あのときだった。

太陽がサンサンと降り注ぐ窓をボーッと見ながら空想の世界に入っていたとき。

「牧野さん。ちょっといい？」

えっ、私に話しかけてくれる人なんていたの！？

この声は絵里じゃないし…………

だれだ？っと思いながら声の主の方を向くとそこには、女子グループの中心人物ともいえるほど人気者の澄香ちゃんだった。

なんで澄香ちゃんが私に話しかけてきた？？

頭に謎しか思い浮かばず、黙って見つめていた。

澄香「牧野さん。話があるから放課後すぐに中庭の花壇まで来てくれなぁい？」

澄香ちゃんのグループの人たちは、近くにはいないが、確実にこっちを見てる。

うぅ。人に見られるのは苦手…………。

澄香「牧野さぁん。聞いてる～？」

澄香ちゃんに優しく微笑まれたので慌てて答える。

風花「あっ、い、いいよ。」

澄香「ありがと～！じゃあ、放課後、中庭の花壇でね～！」

な、なんだったんだろう？

そこからずーっと頭の片隅に必ず澄香ちゃんのことが入ってたからもともと分からない授業がさらに分からなかった。

そのまま授業はあっという間に終わり、気づけばもうさようならってしてるところだった。

あ、中庭に行かないと！！

澄香ちゃんは？と思って辺りを見渡すが、もういっちゃったのか私の視界には見えなかった。

は、はやく行かないと！

走って、走って、走る。

そしてようやく中庭についた時にはもう疲れて息が切れていた。

澄香「やっときたわね、牧野さん。」

な、なんかさっきより言い方がきつくなったような？

声のトーンも低いし。

どうしたのかな？

風花「ご、ごめん。澄香ちゃん。遅れちゃって。」

別にそこまで遅れてはないけどね。

クラスの人の中で５番目くらいに教室出たし。

でも、そのくらいしか言葉が出てこない。

澄香「牧野風花！！あなたに聞きたいことがある！！」

風花「えっ、な、なに！？」

こ、声の調子変わりすぎ！

こんな強いの！？

いつもはふんわりしたかわいいお嬢様みたいな感じなのに。

そ、それより言いたいことって？？

澄香「あなたに聞きたいことはね……」