＿私の涙で君が消えてしまう前に (ページ8)

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切り株の思い出ページ8

帰り道。

今日は今の心とは全く違って太陽が私をジリジリと焼き付けてくる。

心の奥まで焼き付かれそう。

うぅ。でも、本当に心が焼き付かれてるみたい。

ヒリヒリする。

なんでだろう？

ふらふらっとどこを通ったかも覚えてないくらい適当に歩いていると、気づいたらいつもの切り株のところに来ていた。

いつもの、俊ちゃんとの待ち合わせ場所。

この切り株でいろいろあったな。

気がついたら切り株に腰かけていた。

その瞬間、俊ちゃんとのここであったことが次々と頭によみがえってくる。

二人で宝探しをして、切り株を見つけた時。

友達とケンカしちゃって落ち込んでた私に、俊ちゃんがここに座らせて話を聞いてくれた時。

不安なことがあった時。

たくさんのことがあった。

また、あのときみたいに何も気にせず遊びたいな。

思い出したら目から一粒の涙が流れてきた。

俊介「どうしたんだ？風花？」

あぁ。幻聴が聞こえる。

幻聴でもなんか嬉しい。

俊介「おい、風花。なんで泣いてるんだ？おれは幻聴じゃないぞ？大丈夫か？」

風花「えっ……！？俊ちゃん！？」

え、なんで！？

あわてて涙を引っ込めて笑顔をつくる。

俊介「なんで泣いてたんだ？」

風花「え、えっと、な、泣いてないよ！ちょっとあくびしちゃってー。」

俊ちゃんにばれるわけにはいかない。

俊介「そ、そうか？」

納得してないようだけどとりあえず大丈夫なのかな？

俊介「風花。」

名前を呼ばれて顔をあげると、そこには真面目な顔で私を見てくる俊ちゃん。

俊介「辛いことがあったらすぐおれに言え。そしたら好きなだけ泣いていいんだぞ。我慢しすぎるな。泣きたいときは泣いていいんだ。」

風花「俊ちゃんっ………」

涙が溢れてくる。

もう止まらない。

でも、いいんだ。

俊ちゃんなら。

頼れるっていいね。

辺りは暗いが、私の心は誰にも負けないくらいくらい明るかった。

私の涙がキラリと光って頬を伝っていく。

そして地面にポタッと落ちたその時だった。

地面に落ちると同時に涙が波紋のように広がり、二人を包んでいく。

その波紋が広がっていくと、辺りはまばゆい光に包まれる。

俊介「な、なんだ！？」

……光が収まると、そこはさっきと変わらない風景。

俊介「こ、これはなんだ………？」

風花「わからない。だけど、前も一回なったの。」

これは何なんだろう。

疑問が残ったまま、これについて調べてみるという俊ちゃんにまかせて、家の前でわかれた。