私は必要とされてない ページ2
私、牧野 風花。
桜崎中学校1年生。
前まで緑でいっぱいだった校庭の楓も赤やオレンジに色づいてきた。
クラスでも、ぜんぜん目立たない私。
人見知りの性格があってか、友達も一人、二人くらいで、クラスではほとんど一人ぼっち。
人気者達が、きゃぴきゃぴと恋ばなで盛り上がってる中、一人ぽつんと外の景色を見つめる。
彼女らは、もちろん私には目もくれずに真横を通りすぎて行く。
まるで、透明人間になった気分。
部活では、私の唯一の特技の絵を生かして、美術部にした。
美術部は、一人一人黙々と作業を進め、だんだん絵に命を吹き込んでいく。
鉛筆で軽く描いてからいろいろな太さや濃さのペンで丁寧に塗っていくと、まさに今から動き出しそうなかんじ。
私は、そんな感覚が大好きだ。
絵を書く、それは楽しい、心地良い、快感。
絵は、そんな夢の国へ連れてってくれる。
私の唯一の楽しみだ。
先生「はい、じゃあ、牧野さん。(2)をお願いします。」
風花「え!あ、えっと。。。」
いまどこやってるの!?
なにも分からないよ!?
ど、どうしよ…!
風花「あ、えっと、その……」
先生「やってないのか?じゃあ、相沢さん。お願いします。」
絵里「はい!2X-25=-5+6Xの答えは-4X+20です!!」
先生「正解だ。牧野さん、相沢さんみたいにちゃんと話を聞いてくださいね。そしたら自信をもって発表できますから。」
先生は、困ったときにはいつも絵里に当てる。
それで私に注意する。
いつものことだ。
だけど、やっぱり、悔しくて、悲しくて。
先生がもっと楽しく、わかりやすく教えてくれたら私だってできるのに。
チャイムがなると同時に、トイレに駆け込んだ。
目から、一筋の涙がこぼれる。
地面に涙がぽたっと落ちる。
その時だった。
涙が波紋の様に広がって、それと同時に光のようなものも広がっていく。
風花「えっ…なにこれ!?」
その瞬間、私は眩しい光に包まれた。
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作者名:ありす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2019年10月30日 21時