感じるだけ〜Ishibashi ページ7
自分が寂しい人間だなんて
哀れな人間だなんて
一度も思ったことはない
思ったことなんてない
騒がしい空間
宴が始まって1時間半もすれば
真っ赤な顔のやつ
机に突っ伏してるやつ
アホみたいに声がデカくなるやつ
笑い声が永遠と響いてる
部屋の角
1人寂しく
壁に背を預けながら
何杯目かもわからないハイボールを飲み干した
真反対にいる賢志郎は
今日も可愛らしい女の子に囲まれている
その女の目は漫画のようにハート状態
みんなにとって憧れの存在
私なんかと正反対の彼は
つい数ヶ月前まで私の隣で笑っていた
付き合っている時から感じてはいたものの
この数ヶ月でより感じる
私たちは吊り合ってなかったのだと
未練がましいと言われるかもしれない
付き合えただけ幸せだと言われたら
それまでなのかもしれない
それでも
好きだと言ってくれた彼の言葉が
頭にこびりついて離れない
石「Aさん。」
「ん？なに？」
ついさっきまで騒がしい輪の中にいた石橋が
遠慮がちに私の隣に腰掛ける
石「俺と抜け出しませんか？」
机の下でそっと重ねられた手
私を見つめる目は真剣そのもので
少し回りはじめたハイボールのせいなのか
その言葉に首を縦に振った
「お邪魔します。」
石橋の家に踏み込むのは初めてではない
整理整頓されたシンプルな部屋
石「こっち。」
リビングの床に腰を下ろそうとすると
強く引かれた腕
背中に感じるスプリング
覆いかぶさる石橋
「ちょっと、、酔ってるの？」
石「俺酒飲まないんで。」
「ほら、場の雰囲気に酔うって言うでしょ。」
早まった鼓動がバレないように
フワフワとした頭を必死に回転させる
石「川西さんのこと、忘れられないんですよね？」
「っ、、、！別にそんなんじゃ、、、。」
石「忘れさせてあげます。」
「え？」
視線が絡まり合えば
囚われたように目が逸らせない
目の前にいるのは
かわいい後輩石橋遼大ではなく
1人の男石橋遼大
「何言ってんの、、、」
石「好きです。川西さんがAさんを好きになるより前から。Aさんが川西さんを好きになるよりずっと前から。」
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なち(プロフ) - あくりるうぉーたーさん» あくりるうぉーたー様。ありがとうございます！感想とても嬉しいです！いつもご覧頂き誠に有難う御座います。感想とても励みになります！これからもよろしくお願い致します！ (2020年9月9日 9時) (
レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
あくりるうぉーたー(プロフ) - 突然失礼します、、！いつもいつもにやにやしながら()見させてもらってるんですが、今回のお話がツボすぎて思わず、、笑もう、最高でした、、薬漬けにされちゃうのめちゃくちゃ好きですいつも見てますこれからも楽しみにしてます！ (2020年9月9日 1時) (レス) id: 3d02122e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2020年8月31日 18時
