脳と身体〜Ishibashi ページ17
○○....
○○...
石「A。」
ぼやんとした視界
どこか聞き覚えのあるその声に
重たいまぶたを押し上げる
石「おはよう。」
私を覗き込む男の人
整った顔立ち
優しい笑み
「あの、、私、、」
石「君の名前はA。俺の恋人。」
「恋人、、、？」
石「俺は遼大。」
優しい口調と
柔らかい雰囲気に
何故だか恐怖は感じない
石「俺のこと、、忘れちゃった、、？」
悲しげな笑みを浮かべ
私の頭をそっと撫でる手に
一瞬身体が強張ったような気がしたものの
その不安は一瞬で消えた
一筋の涙をゆっくりと流す"遼大"
私はこの人を
私を愛してくれていたこの人を
忘れてしまったのだろうか
その罪悪感からなのか
ゆっくり手を伸ばし
頬をそっと撫でた
石「A、、、」
重なった唇
少しずつ大きくなる水音
私の上に跨る"遼大"の目は
さっきまでとは違う
酷く冷たく
捕らえられた視線は
恐怖からか逸らせない
石「ﾀﾞｲｼﾞｮｳﾌﾞ､ｵﾚｶﾞｲﾙｶﾗ｡」
私の本能が
危険だと逃げろと信号を出す
しっかりと押さえつけられた腕
降り注ぐ噛みつくようなキス
敵うはずもなかった
「やめてっ、、！」
1枚また1枚と奪われる布
曝け出されたその肌には
無数の華
石「大丈夫だよ。ちゃんとｱｲｼﾃあげるから。」
落ち着いた声が耳元に響き
脳の中にすんなりと入り込む
触れられる体
吸い付く唇に
"逃げろ"
私の脳が叫ぶ
"愛おしい"
私の身体が叫ぶ
「遼大、、、」
石「ｱｲｼﾃﾙﾖ。」
身体は愚か
その欲に忠実
脳で発される警告音を無視して
この身を委ねた
深い愛を受け取った身体は
鉛のように重い
真っ白なシーツに滲む
真っ赤なそれに
空っぽだったはずの脳が動き出す
無数の華
無数の傷跡
拘束された腕
ベッドに腰掛ける"遼大"の後ろ姿
消えていた記憶が取り戻される
"殺される"
石「ふふっ、また思い出しちゃった？」
「やめてっ、、、」
石「大丈夫、すぐに怖くなくなるから。」
"殺される"
「助けて！！！」
必死に発した声
腕にチクッとした痛み
私の中に入り込む何か
歪む視界
石「全部ちゃんと消してくれればいいのにね。」
遠のいていく意識の中
楽しそうに笑う"遼大"の姿
少しずつ消えていく恐怖と
消えていく記憶
石「おやすみ、A。」
唇に落とされる
誰かわからないその人からのキス
○○....
○○...
石「A。」
ぼやんとした視界
どこか聞き覚えのあるその声に
私は今日も目を覚ます
石「おはよう。」
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なち(プロフ) - あくりるうぉーたーさん» あくりるうぉーたー様。ありがとうございます！感想とても嬉しいです！いつもご覧頂き誠に有難う御座います。感想とても励みになります！これからもよろしくお願い致します！ (2020年9月9日 9時) (
レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
あくりるうぉーたー(プロフ) - 突然失礼します、、！いつもいつもにやにやしながら()見させてもらってるんですが、今回のお話がツボすぎて思わず、、笑もう、最高でした、、薬漬けにされちゃうのめちゃくちゃ好きですいつも見てますこれからも楽しみにしてます！ (2020年9月9日 1時) (レス) id: 3d02122e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2020年8月31日 18時
