苦しみ〜Ishibashi ページ12
「ﾊｧｯ、、、ﾊｧｯ、、、」
朦朧としている意識
全身の痛み
重すぎる身体を引きずり
手を伸ばす
ｶﾞｼｬﾝｯ
音を立てて床に打ち付けられた花瓶は
粉々に割れた
生けられていたキンセンカは
無惨な姿で床に散らばる
石(1人の時でもｲｲｺにしていられるように。)
ｱﾅﾀがそう言って生けたキンセンカ
オレンジ色の可愛らしい花は
見た目にもよらず悲しい花言葉を持つ
石(寂しさに耐える。)
知っていた？
キンセンカの花言葉はそれだけではないこと
「失望、、、」
ｱﾅﾀの望むｲｲｺになんてならない
割れた花瓶のかけらを手にし
自分の首へと近づける
赤青紫
身体中を染める華
たくさんの切り傷
歯並びの良い綺麗な歯形
私の身体のはずなのに
ｱﾅﾀを連想させるこの身体が
この汚い身体が
嫌いだ
「ｳｯ､､ﾊｧｯ、、」
サイドテーブルに転がる注射器
どんどん荒くなる息
薬が切れてきたのだろう
恐ろしい幻覚を見せ
私を蝕んでいくその薬
「早く、、しないと、、」
薬が切れてきたということは
ｱﾅﾀがもう帰ってくる時間
ｱﾅﾀが帰ってくるその前に
その前に、、
石「なーにしてるの。」
「っ！？！？」
ゆっくりと落ち着いた声が
私の後ろから降り注ぐ
石「あーあ。可哀想な花。花瓶もボロボロ。」
無惨なキンセンカを
そっと撫でる手が
石「ﾜﾙｲｺ見つけた。」
「っ、、！」
私の首へと巻きつく
石「こんな危ないもの持ったらダメでしょ？」
少しずつ首にめり込む指
目の前に広がるその笑顔から
目が逸らせない
「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」
石「死なせてたまるかよ。」
床に倒れ込んだ私にもう一度近づくその手には
注射器が握られている
「ﾔﾒﾃｯ､､」
石「楽になんかさせないよ？」
皮膚がプツッと裂ける音
ﾄﾞｸﾄﾞｸと入り込む液体
「ｯ!?」
石「ここで俺と一緒に、ずーっと。」
真っ暗になった視界
手放した意識
また今夜も私に
あの恐怖が訪れる
石「苦しんで。」
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なち(プロフ) - あくりるうぉーたーさん» あくりるうぉーたー様。ありがとうございます！感想とても嬉しいです！いつもご覧頂き誠に有難う御座います。感想とても励みになります！これからもよろしくお願い致します！ (2020年9月9日 9時) (
レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
あくりるうぉーたー(プロフ) - 突然失礼します、、！いつもいつもにやにやしながら()見させてもらってるんですが、今回のお話がツボすぎて思わず、、笑もう、最高でした、、薬漬けにされちゃうのめちゃくちゃ好きですいつも見てますこれからも楽しみにしてます！ (2020年9月9日 1時) (レス) id: 3d02122e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2020年8月31日 18時
