雷様〜Ishibashi ページ11
ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ
外から地面を揺らすほど大きな音がする
忙しなくなり続ける音は
ﾄﾞｶｰﾝｯ
大きな音を立てて地面に突き刺さる
「嘘、、、」
その音と同時に消えた電気
暗闇に包み込まれ
エアコンは口を開いたまま止まった
「っ、、、」
窓の外がチカチカとする
鳴り止まない音
地面に刺さる稲光
強く耳を押さえ込んでも
聞こえる音
「はあ、、はあ、、」
ｻﾞｰｻﾞｰという雨の音
ﾋﾟｶﾋﾟｶ光る空
ｺﾞﾛｺﾞﾛと地面を揺らすような音
ﾄﾞｶｰﾝｯという音とともに
地面へとまっすぐ伸びた光
あの日の恐怖が蘇る
「ﾊｱｯ、、、ﾊｧｯ､､」
浅くなる呼吸
肺に届かない酸素
遠のく意識
熱を帯びてくる部屋
「っ、、、」
あれはどれほど前だろうか
2016年9月7日
私が分かる最後の日付
今が何年の何月何日か
私にはもうわからない
大型の台風がやってくる
十分な警戒をして
家からでないようにと
画面の中のアナウンサーが連日報道していた
予報より少し早くやってきた大きな台風
残業を終えた私は帰路を急いでいた
吹き付ける雨風
怒り狂うように音を立て
ﾋﾟｶﾋﾟｶ光る空
後ろから迫る足音に気づくはずもなかった
「っ、、、」
石「捕まえた。」
「だれ、、」
口をハンカチで覆われ
突如朦朧とした意識
その場に倒れた私に打ち付ける雨
どんどん薄れる意識の中
後ろにたたずむ影を見上げる
石「帰ろうか。」
ﾄﾞｶｰﾝｯ
「っ、、！！！」
稲光に照らされ
ようやく見えたｿﾉﾋﾄは
恐ろしい悪魔のよう
いや、雷様と呼ぶべきだろうか
力尽きた私の耳には
ｻﾞｰｻﾞｰと打ち付ける雨の音と
ｿﾉﾋﾄの上機嫌な笑い声が響いていた
(A、、、A、、、。)
石「A！」
「っ！！！！」
ｿﾉﾋﾄの声に目を覚ます
額のびっしりとかいた汗は
暑さからなのか
恐怖からなのか
石「大丈夫？魘されてたけど。」
真っ暗な部屋
ｿﾉﾋﾄの顔は見えない
私を優しく包み込み
石「俺がいるから大丈夫だよ。」
耳元で重圧感のある言葉を囁く
あの日と同じ
耳に響く雨音
石「ただいま。」
ｿﾉﾋﾄの声
ｺﾞﾛｺﾞﾛ
ﾄﾞｶｰﾝｯ
あの日と違うことが1つ
「っ！？！？」
稲光に照らされたｿﾉﾋﾄの表情は
何故だかどこか穏やかだった
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なち(プロフ) - あくりるうぉーたーさん» あくりるうぉーたー様。ありがとうございます！感想とても嬉しいです！いつもご覧頂き誠に有難う御座います。感想とても励みになります！これからもよろしくお願い致します！ (2020年9月9日 9時) (
レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
あくりるうぉーたー(プロフ) - 突然失礼します、、！いつもいつもにやにやしながら()見させてもらってるんですが、今回のお話がツボすぎて思わず、、笑もう、最高でした、、薬漬けにされちゃうのめちゃくちゃ好きですいつも見てますこれからも楽しみにしてます！ (2020年9月9日 1時) (レス) id: 3d02122e62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2020年8月31日 18時
