困らせる〜Hamaie ページ11
「ああああ〜。」
水田「まあまあ。」
楽屋に響く私の大きなため息
横にいるのは毎回宥めてくれる心優しきフニフニ男
通称水田信二。
「もう嫌や〜！」
水「もう考えるのやめとき、辛いだけやで。」
絶対かなわない恋をしてしまった私
辛いだけ苦しいだけなのもわかってるのに
制御が効かないのが恋心というもので
「言いたい、、。」
募り募った思いは今にでも爆発しそうだ
水「それはあかんて。」
「好きな人に好きって言いたいだけなのに。」
濱家「言ったらええんちゃう？」
扉の方から聞こえる声の主は
私が恋心を抱く人
濱「好きなら好きって言えばええやん。」
「言ってもええと思う？」
濱「むしろなんであかんねん。」
人の気も知らない背高のっぽは
まるで他人事のように言葉を口にする
「言っちゃダメな相手でも？」
濱「言っちゃダメな相手ってなんやねん。」
「、、、相手がいる人。」
濱「別にそんなの関係ないやん。」
私の恋心が自分に向いてるなんて
これっぽちも思っていないのだろう
「でも言ったら相手が困るよ？」
濱「自分優先したって、わがままになってもええやん。困らせたれ。」
「ふーん、、じゃあ言ってみようかな。」
横からガバッと勢いよく顔を上げる音
アカン！その声が全て発される前に
「好きや、濱くんのこと。」
鍵をかけていた思いを口にした
濱「え、、、俺、、？」
「うん、私濱くんのことが好き。」
高い位置にある顔を見上げると
(えっと、、、)
と呟きながら目を泳がしてる
「だから言ったやん。言ったら困るって。」
濱「いや、、その、、」
そんな顔させたかったんじゃない
困らせたかったんじゃない
「、、なんてな。」
濱「え？」
「フニフニ行くで。腹減った。」
水「えっ？ちょ、待ってA！」
私が見たいのはそんな困った顔じゃなくて
八重歯がひょっこりはみ出た
カワウソみたいな顔
「びっくりした？女優に転職しよかな。」
濱「A！」
「ん？」
濱「ありがとう。ごめんな。」
「だから嘘言うてるやん(笑)」
苦しそうな笑みを浮かべて
下がってしまった眉は
あなたが困ってる証拠
「お疲れ様〜。」
楽屋の扉が閉まる音
ボロボロと溢れる涙
目の前に差し出されるハンカチ
「今日はフニフニの奢りな、、。」
水「誰がフニフニやねん、、。まあ付き合うで。」
きっと今も眉毛を下げて
困った顔をしてるのだろう
「濱くん、、ごめんな。」
あなたへの謝罪は
私の鼻を啜る音にかき消された
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なち(プロフ) - 加賀*玲望魅(トミー)さん» 加賀*玲望魅(トミー)様、有難いお言葉に感謝申し上げます。ぜひこれからもよろしくお願い致します！ (2021年1月8日 0時) (
レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
加賀*玲望魅(トミー)(プロフ) - 完結お疲れ様です。私より何千倍も凄い小説を書いていただきありがとうございます。これからも応援してます。 (2020年12月31日 0時) (レス) id: 8e7a3d2703 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - かおるさん» かおるさん、とても嬉しいコメントありがとうございます！このシリーズは完結してしまったのですが、他の作品も書いているので、ぜひお時間があればお読みいただけると嬉しいです！ (2020年12月16日 0時) (レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
かおる - 小説家になれるレベルに話の構成上手すぎて、、、、！！！！素敵です！愛読させていただいてます！！！ (2020年12月15日 23時) (レス) id: 051f8c256f (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - 薄氷さん» 薄氷さん、またまた有難いお言葉嬉しい限りです！この作品を書いてきてよかったと、お言葉をいただいてすごく感じました！長くにわたりお読み頂きありがとうございました！ (2020年10月15日 21時) (レス) id: 53910307d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なち | 作成日時：2020年8月4日 15時
