Chocolate Sling -3-

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あれ･･･でもちょっと待てよ？




『なぁ……もしかして、萩野の運転で行こうってこと？俺が助手席に乗るの？』




「うん。一緒に行けばレンタカー代もかかんないし、どうかなって思ったんだけど…」




･･･マジか。




『んー…それは、結構……いや、かなり有難いっちゃ有難いけどさ、いいの？』




「うん、北山くんさえ良ければ！」




『…じゃあ、お言葉に甘えるわ (笑)』




女に運転してもらうってどうなの？って思うけど、レンタカー代が浮くのは有難い。




それに、片道2時間くらいかかるけど、萩野とゆっくり話せるってのも楽しそうだ。




「ふふ、良かったぁ…」




『え？』




「大倉くんの車に乗せてもらえないから、北山くん1人で行こうとしてたんでしょ？」




『あぁ、そうだけど…』




「それに、もし北山くんが車で行くんだったら一緒に行こうって誘えなかったし。」




『……。』




「じゃあまた、前日に連絡するね。」




『ん、了解。』




自分のデスクへと戻っていく萩野を無意識に目で追っていると、妙な視線を感じた。




『…んだよ大倉、』




「ふはっ、いちいち確認せんでも俺の視線に気付くようになったんか (笑)」




『……。』




相変わらず、無駄にテンション高ぇな。




そろそろ昼休憩も終わる。




無視して仕事に取り掛かろうとしたその時、大倉の一言が俺の動きを止めた。




「ええなぁ、ドライブデートやん ♪」




『っ、は？！』




･･･何言ってんだよ。




「萩野ちゃんと2人きりやろ？」




『…そうだけど、』





『……。』




「ええやん、お似合いやと思うで？」




『っ、そんなんじゃねぇし…』




「片道2時間も密室に2人きりでおって、なんも起こらんわけないやん (笑)」




『……。』




「進展あったら教えてや ♪」




大倉のやつ･･･




完全に面白がってやがる。




『進展も何も……俺と萩野はただの同期だし、そうゆうの期待すんなって…』




「……奪られるかもしれへんよ？」




『…は？』




「萩野ちゃん人気やし、北山がいっつも隣おるから皆行こうとせぇへんだけや。」




『いや…だから俺は、』




「その気ないんやったら、仲良い同期とか言うて独り占めすんのはズルいと思うけどな。」




『……。』




「…まぁ、また旅行の時 話聞くわ。」




ニヤリと口角を上げる大倉に、それ以上 言い返すことは出来なかった。

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