Chocolate Sling -3-

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食べ終わってからは、お酒を飲みながらいつものようにたわいもない話をして･･･




毎回思うけど、萩野といると本当に 時間があっという間に過ぎてしまう。




思ったよりも早く出ることになったから、電車で帰ろうかな、と萩野が言い出した。




電車となると、ここかだといくつか乗り換えがあり、この時間帯はかなり混雑する。




サイトでの評判が良く前から気になっていた店だし、明日が休みだからタクシーで帰ればいいと思ったから ここを選んだのに、ここまで来て電車で帰るわけにはいかない。




満員電車に長時間揺られたくないからと萩野を説得して、電話でタクシーを呼んだ。




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タクシーに乗ってる間、少しの会話を交わしただけで 後はお互いに終始無言だった。




萩野のマンションに先に着き、運転手に少しだけ待ってほしいと頼み、いつものように エントランスの前まで並んで歩く。




「あの……北山くん、運転手さん待たせちゃ悪いし もうここでいいよ？」




『あー…うん、』




タクシーを降りる直前、萩野に黙って「10分経っても戻らなかったらそのまま行ってください」と運転手に五千円札を手渡した。




何かを察したようにニッコリと微笑んでくれたから、ちょっと恥ずかしかったけど･･･




あれは多分、"頑張れよ"ってことだ。




だから気にしなくていい。




『……明日どうすんの？』




「明日？」




『あぁ、出掛けたりすんのかなって…』




「んー…家でのんびりすると思う、」




『のんびり……ゴロゴロ？』




「ふふ、そのつもり (笑)」




ほんのり紅潮した頬をキュッと上げて、「北山くんの予定は？」って聞いてくる萩野。




『特にねぇな。強いて言うなら 掃除とか片付けとか？溜まった洗濯物とか……』




「実家にいた頃はお母さんがやってくれてたし、一人暮らしには慣れたけど 未だに洗濯物の山を見るとドキッとするんだよね…」




『あ〜…分かるわ (笑) こんなに溜まってたっけ？！ってなる。毎日洗濯機回すのも面倒だし、溜まったら溜まったで面倒だし。』




「自炊はしてる？」




『いや、全然。』




「前に私が体調崩した時、お見舞いに来てくれて雑炊まで作ってくれたよね。」




『……あの見栄え最悪なやつ？』




あの後、自宅に帰る途中で材料を買って、同じレシピで作ってみたけど･･･




見栄えどころか、味さえも最悪なものが出来上がったなんて 言えるわけがない。

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