My BELOVED〈短編集〉

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健永くんとの出会いは、合コンだった。




まさか自分が合コンに参加するなんて、そしてその合コンで出会った人を好きになって、今もずっと一緒にいるなんて･･･




今じゃ、健永くんが隣にいない日々は想像もつかないくらいだけど。




あの時の私は、夢にも思わなかった。




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同期のマミちゃんから、たまにはパーッと呑みに行かない？って誘われて。




定時で終わったし、明日は土曜日だし、たまにはいいかなって思った。




だけど行き先は合コンだった。




直前で渋る私を、いつものメンツだから大丈夫、気軽に食べて呑んで楽しく喋るだけだよ、って宥められて、断ることも出来ず･･･




･････いつものメンツってことは、それなりに合コン慣れしてるってことだよね。




警戒心はそのままに参加した合コンは、本当にただの呑み会って感じ。




でも、安心したのも束の間だった。




「ねぇねぇ〜Aちゃんってさ、ぶっちゃけ今まで何人と経験あんの？」




序盤からやたらと絡んできてた人が、不意にそんな質問をぶっ込んできた。




最悪、の一言だった。




だからこんなところ来たくなかったんだよ、どうせ合コンなんてこんな人ばっかり。




マミちゃんや他の友達は、お酒が入ってることもあって 私のことなんて忘れて盛り上がってるようだった。




自分でなんとかしないと･･･




そう思ったその時。




『もう先輩っ、女の子にそうゆうこと聞くのはダメですって！今のご時世厳しいですからね、セクハラになっちゃいますよ？』




場が白けてしまわないように、明るい口調で、それでいて牽制するように･･･




見た目はかなりチャラいけど。




助けてくれたのは意外だったし、彼に対するイメージが少しいいものになった。




それから、お開きまでずっと彼は私を気にかけてくれていた･･･と思う。




目の前のカクテルをちびちび呑む私に 時折視線を向けつつ、皆の会話に混ざっていた。




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「あの、健永くん！」




『え？』




「さっきはありがとう…ございます、」




心臓がバクバクいってる。




終わったら速攻帰るつもりだったけど、このままバイバイするのは なんだか嫌だ。




引き留めた私に、敬語はいらない、と柔らかい笑顔を浮かべる健永くん。




心臓が、ぎゅ、っとなった。

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