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月曜日。
あと一週間と少しで、試験が始まる。
流石に、樹先輩は帰ってきていなかった。
まだ土日を挟んだだけだ。
当たり前だ、お大事に。
きちんと勉強できているだろうか。
それともまだ熱は下がらずにうなっているのだろうか。
どっちみち想像するだけで面白い。
昼休み。私の周りに人はやっぱりおらず、ゆるゆると時間が流れる。
私は最近買った本を読んでいた。
「Aちゃん！」
ん？
今私の名前を呼ぶ声が聞こえたような・・・。
気のせいか。今、この学校に私の名前を呼ぶ人はいな、
「Aちゃーん！」
やっぱり気のせいじゃなかったようだった。
恐る恐る扉のほうを見ると・・・
「あ、やっと気づいた、ちょっとこっち！」
森本先輩だった。
嫌な予感がする。
「ねえ、やっぱりAさんて・・・」
「森本先輩もよく相手にするよね、あんな奴」
「田中君ともべたべたしてるし・・・」
ほう、樹先輩も女子に人気があったのか、それは意外だ。
まあ、確かにモテそうではあるけれども、まさかほんとにそうだとは。
「Aちゃん、はーやーく！」
「・・・はい」
せっかくいいところまで進んでいたミステリーを閉じる。
「ちょっと来て」
「え、ちょ、」
突然手を引かれ、廊下をずんずんと進む。
周りの視線が突き刺さるが、この人はそんなものを気にしないみたいだ。
なんだかとてもたくましい背中だった。
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作者名：nanaco | 作成日時：2024年2月4日 10時
