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「・・・いましたけど、何か悪いですか」
「いや、悪いってわけじゃないけどさあ、」
「二人きりでいたらそれは付き合ってるってことなんですか。今更何なんですか」
私がそういうと、樹先輩は押し黙った。
久しぶりに、怒った。
久しぶりに、傷ついた。
きっと今の私の顔はなかなか険しいに違いない。
そのまま沈黙が続く。
これは、きっと樹先輩からは喋りださないやつだ。
３０秒黙って、私は悟った。
「・・・どこですか、分からないところ」
「あ、うん、えっとね」
そこから黙々と、私は樹先輩に教え、樹先輩は教わり、ただただ時間が流れた。
「・・・じゃあ、今日はありがとね」
「いえ、また何かあれば」
「うん。じゃあまた」
かばんを担ぎ、樹先輩は颯爽と去っていった。
私は机の上に散らばった消しかすをさっさと拾い集める。
「じゃあすいません、騒がしくして」
「いえいえ」
私たちの目の前で作業していたおんなじ委員会の女の子に会釈して帰る。
ぶっちゃけ、樹先輩なら分かってくれると思っていた。
薄暗くなってきた道路をだらだらと歩きながら、そう考える。
男子と二人でいたという事と付き合っているという事が、全くもってイコールでつながっていないという事を。
そう考えて、ふと立ち止まる。
私は、結構樹先輩のことを信頼しているんだ。
さっきは、結構心の底から怒り、心の底から傷ついた。。
もちろん私が勝手に信じて勝手に裏切られたと思っているだけに違いないのだけれども。
今までは、ああいう風に言われても全く腹立たしく思わなかったのに。
定期的に思う。
私は樹先輩のことをどう思っているんだろう。
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作者名：nanaco | 作成日時：2024年2月4日 10時
