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「あの、図書室ではお静かに・・・」
「嘘だ、あの樹が？そんなわけない、だってあの樹だよ？これは夢だ、そうだ夢だ！それしかありえない、だってあの樹が・・・」
「あのー、ちょっと落ち着いて」
「夢なら早く覚めろおおお、ああ俺ついに末期だ樹が夢に出てきたことは一度じゃ二度じゃないけどこんなおかしくなった樹が出てくる夢は初めてだ、あああやばいやばいやばい」
だめだ、この人壊れた。
私は天を仰いだ。
さっき座ろうとしていた椅子は仰向けに倒れ、今は机の周りをぐるぐる回っている。
頬をバチバチと叩いている。
痛そう。
「うわ痛った！！」
ガン、と机が鳴る。
どうやら、足を机の角にぶつけたらしい。
「・・・夢じ。ゃ、ない・・・？」
真っ赤になった頬も気にせず、頭を抱える。
「いい加減正気に戻ってきててください」
「いーや俺は正気だよ、あ、分かったAちゃんが嘘ついてんだ、樹がテストで頭いっぱいなんて嘘でしょ、テキトーに言ったんでしょ、違う？」
何でこの人はこんなに樹先輩に勉強させたくないんだろうか。
不思議でならん。
「いや、私樹先輩に勉強教えてくれって言われて、明日、ここで教える予定です、けど・・・」
得意気だった森本先輩の表情が固まる。
「え、まじ？まじなの？」
「まじです」
「まじ？」
「まじですってば」
「・・・まじ？」
「まじですって！」
森本先輩が、よろよろと後ずさり、一番近くの机にぶつかる。
「まじ、か・・・」
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作者名：nanaco | 作成日時：2024年2月4日 10時
